シリーズ・天才と暮らす・箱庭療法! |
父ちゃんには何も告げずに
私がひそかに
彼の内面の覚醒をたくらんで
実行したことがあります。
それはいわゆる庭造り、
ガーデニング・・というやつ
です。
最初、全く興味がなかった父ちゃんが
私の庭仕事を手伝いながら
少しずつ、庭イジリに関心を示してきました。
そして、なんかのきっかけで
彼が作った寄植えが大変良くできて、
さらに
園芸センターに行った時、
そこで売られている寄植えを見た父ちゃんが
こんなんなら
わざわざ買わなくても
自分でもできるし、
「わたしが作ってあげるよ・・・」と言い出し、
俄然、彼の持分である
負けん気と闘争心?・・・を
燃やし始めました。。。。笑!
最初はもうーホントに
寄せ植えるだけで、
庭全体を演出する・・ということや
花を引き立てる
植木鉢などには
あまり関心もなかったのですが、
1年2年と
のめりこむうちに
だんだんそこへと
視野が広がっていきました。
その頃
私はあることがピーンときて
父ちゃんの寄せ植え作品ができるたびに
それをほめ続け、
感謝し続けました。
私がピーンときたこととは
これは父ちゃんにとっての
”箱庭療法”になる・・・・と
思いついたのです。
20坪余の我庭ですが
その全体を視野に入れながら
花や木や石や花壇を配置しながら
庭を設計していく。
しかも
季節ごとに
それらを設計しなおし、
配置換えをしていくこと。
花やオブジェが
心理的なアーキータイプ(心理元型)として
有効に働きながら
無意識のうちに
庭に投影された自己心理を
手直ししていく・・・という
箱庭療法が
できると
思いついたのですよ!
箱庭療法というのは
マーガレット・ローエンフェルドが作り出した
心理療法の技法で、
その後、スイス人のドラ・カルフがさらに
完成させ、
カルフに師事した河合隼雄博士が
それを日本の風流な遊びであった
箱庭と結びつけて
箱庭療法と名づけました。
実際の箱庭は適宜な長方形の箱のなかを
青色に塗り(青は無意識世界を表します)
それに指や手で
自在に動かせる砂を入れ
その箱の中の風景を
自分で選出し
創っていきます。
自分が好きなように
自然や人形やオブジェを配置しながら
無意識に自分の心理を
治癒していくものですが、
そういう風に
治療などと
堅苦しく思わず、
自分の心が投影されている
ある空間を
自分の感覚や意志に基づいて
いろいろ手直しいていく・・・と
気楽に考えてください。
例えば
自分の部屋でもいいですし、
自分の机の上や
抽斗の中でもいいですし、
自分の描く絵のなかでもいいですし、
父ちゃんのように
自分ちの庭でも
デッキでも
ベランダでも
そして
畑でも
いいです。
ありとあらゆる
自分に関係する空間は
その人間の心理投影ができており
人間は
無意識のうちに
自分が生きやすいように
そこを
いじくっているモンですからね。
無意識にそこに
自分の全部を投与しながら
自己世界を
常に作り直していく。
この
無意識・・・というのが
また
夢中・・・で
無心にやる・・・というのが
とても大切なんです。
つまり
そこに一切の義務とか責任とかを
排除して
遊びとしてやる!
さて
そういう私のたくらみなど
まったく知らず
父ちゃんはどんどん庭造り
ガーデニングに
はまっていきました。
そして私は庭のすべてを
彼に任せて
彼が迷っているときだけ
背中をおしました。
最初はやはり
使う花の色が偏っていて
かなり
緊張感のある寄せ植えで、
なかなか中間色や
淡い色を使う事ができませんでした。
しかし
やはり人間はたいしたもので
作品が出来上がり
それが庭の中で
生かされてくると
もう
楽しいし
それがドンドン遊びへと
解放されてゆき
その遊びの中で
自我が解放され
感情が安らげられ
さらに
全体の中で
色や形や配置の感性が
磨かれていきました、
◎ 部分と全体とのバランスを
取りながら
彼の世界が
出来上がっていき
それは常に
進化と進歩をしていきました。
前回書きましたように
色や形はその人間の感情を
投影しています。
こだわりは
その人間が縛られているものを
投影しています、
父ちゃんも
庭を造りながら
自分の感情を、
こだわりを、
無意識のうちに
少しずつ解いていったと
思います。
さらに
自分の嫌いな花の色や形
自分が不得意な色や形に
挑戦していきましたから
もう
どんどん腕が
上がっていきましたねえー!
そして
その時、そのときの
彼の精神性の課題が現れ
花をいじくりながら
無意識にそれを
調整していったと
思いますよ・・・!!
もうお気づきですね、
このブログでの花の写真は
すべて
彼が種や苗をうえたり
寄せ植えたりしたもので、
私は一切やっていません・・・笑!
父ちゃんの世界が
解放されてゆくこと
つまり彼自身が
自我の感情や
負の捉われから
解放されて
成熟していくことが
広い視野と
豊かな感性と
理性に基づいて
会社経営が為されることに
成就されていけば
少しでもそこで
お役にたてれば
私はトテモ嬉しいです。
人間の自立(自律)とは
究極的には
自分が生きている時間と空間を
自分が
自己完結してゆくことです。
自分におきる
いっさいがっさいは
自分が作り出したもので
それをすべて
自分が背負って生きる・・という
自己完結世界なのです
が
しかし
その人間のいちばんの喜びは
他者や社会との
”関係”のなかで
自律した自分が生かされ
自分が他者や社会の
役にたてた時
です。
依存せず
自分に依拠して
生き
自分の足で
しっかり立ち
その上で
他者の役に立てたとき
とても充実した喜びが
きます。
その喜びは
無上のエネルギーです。
父ちゃんも
私も
そうなれたらいいなあーと
願っています。
そうなれたら
いいね!
私を取り巻く現実こそ、私の箱庭なのかもしれません。素敵な箱庭を創るゾ。そしてその庭に大切な人たちをお茶に呼べるとさらに素敵です。