私は軟弱者! |
娘から
ちょっと変なことを言われた。
彼女たちのオケは
先般シューベルトの第四番「悲劇的」を
やったのだが
その時シューベルトはなにか毅然としたものがあり
「悲劇的」というタイトルではあるが
彼は絶望はしていない。
それに比べブラームスはどこか
絶望にひたり
甘ったれだというのである。
へえ~、私ブラームスが大好きだけど
でも
それは私の中に甘ったれがあるということかな~と
気がついて
再度二人の音楽を聞き分けてみた。
ブラームスは大好きですから
よく聞いていますが
そう言えばシューベルトは
めったにきかない。
それでも
どういう訳かピアノ曲は
シューベルトのアンプロンプチュが大好きで
ほんとうにたまですが
自分でも弾いてみます。
それであゝと気が付いたのは
ブラームスに比べて
シューベルトは感情に溺れていない!
どこか凛とした気品がある。
それにくらべ
ブラームスは優しいのだけれど
どこかズボッと感情におぼれてしまうところがあり
それが私には
エクスタシーになるところが
あるみたいだな~・・・・。
娘がいうには
ブラームスもシューベルトも
絶望しているのだけれど
ブラームスは
その、自分の絶望を、
どこかで、或は
誰かに
わかってほしい・・と
いうアピールが
曲の中に潜んでいるように聞こえる。
しかし
シューベルトはそれを
自分ひとりで
処理できている
というのである。
そういえばシューベルトの「冬の旅」も
絶望してはいるけれど
メソメソは
していない。
絶望的ではあるが
そこに落ち込んではおらず
むしろ
そういう心を
淡々と
綴っている。
しかしブラームスは自分の感情の渦の中で
落ち込み格闘しているな~と
思う。
ブラームスは交響曲第一番のように
常に自分の負の世界と格闘し、
格闘しては
這いあがってくるが
シューベルトはそこまで格闘しない。
もっと冷静に
眺めている。
或は
受け入れているように
思いました。
そのいい例が「鱒」で
彼は釣り人がズルをして
鱒をつりあげる一部始終を
見ている。
それに対して憤りを覚えるが
怒りのなかにはおちこまないで
冷静に見ているシューベルトがいる。
そして彼はこの曲の原詩の
いちばん感情的な四番は
無視して
省略してしまいました。
私はブラームスの
ヴァイオリン協奏曲が大好きで
いつも聞いているが
それも
ブラームスの感情の流れのなかで
彼と一体化して
一緒に聞いている自分がいます。
ところがシューベルトの場合は
完全に分離しながら
聞いている。
まあ二人の生来の性格の違いもあるでしょうが
シューベルトはウイーンの郊外で生まれ
ウイーンのコンヴィクトに入り勉強し
そのコンヴィクトでは
貧しいシューベルトのために
友達たちがいろいろと面倒をみています。
その後コンヴィクトを卒業しても
シューベルトは
彼の理解者であった友人たちに囲まれて
様々に援助をうけている。
それにシューべルトはあの
サリエリ先生から
教えもうけていますからね~・・・!!
そういう意味では自信があり
自己憐憫の感情には
溺れないですんでいる。
それにくらべ、
内向的で内省的なブラームスは
ドイツハンブルグからヴァイマールに
出てきたものの
ヴァイマール宮廷楽長をしていた
リストのサロンで
その煌びやかさになじめず
せっかくのリストの好意を
無にしてしまいます。
つまりブラームスは
どちらかというと
人間関係にはぶきっちょだったように
思えます。
そのブラームスを掬いあげたのが
シューマンとクララシューマンでした。
何だかね~
こうしてみてみると
ブラームスは感情的で傷つきやすく
その起伏が激しいです。
それに彼の曲には
♭がいっぱいついているものが
多いです。
今回いろいろ考えながら
つまりブラームスは
自己陶酔型のにんげんだったかもしれないな~と
私は思いました。
彼はすこし軟弱者だったかあ~と
思います。
なぜ軟弱者かというと
すぐ絶望するという訳でもないですが
傷ついて
絶望するということは
感情が軟弱なんです。
まあ
繊細ともいいますが・・・。
そして私の好きな宮沢賢治も
・山頭火も
・良寛も
そし
・ビリージョエルも
どちらかというと
繊細で神経は細く
感情と格闘している
軟弱者かな~とも
おもうのですよ!!
ビリーなんか
その典型です。
そして
甘ったれです。
だから
私も軟弱者です・・・笑!!
さらに私は
自分の甘ったれが
原因して
人生から
手ひどい反撃をうけました・・・苦笑!!
まあ自分の甘ったれに気づくまでは
苦労の連続でしたね。
そして今も
私がどうしても超えられないのが
自分のひとの良さと
優しさです。
どうしてもこれが
癌です・・・笑!!
でも
軟弱だからこそ
包容力もあるのですよ!!
ブラームスの曲には
包容力があります。
それにしても
シューベルトは早く死んでしまいました。
若い頃私は
「美しき水車小屋の娘」第2曲<何処へ!>を
歌うたびに
わくわくしました。
彼ははあの若さのまま
どこへいってしまったのだろう!
ブラームスとシューベルト。
言わせてもらえば
私の
両輪です。
(気取ってすみません・・・。)
軟弱だからこそ
賢治も
私も
メシア症候群に
陥りました。
でも
ここまできたら
もう
軟弱者は卒業です。
もう淡々といこうと
思います。
そうなりますように・・・笑!!
軟弱者ではないね~!!