シリーズ ・優れた人間になろう,その6,ほんとうに賢い人間になろう! |
全ての人間は、自分の脳に内蔵される過去データーを
使いまわしながらしか、生きれません。
つまりどんな人間も、生きてみなければ、何もわからないのです。
予定調和の未来なんぞがあるわけがないのです。
だからいつも失敗や挫折を繰り返しながら
そこで学びながら生きていくしかないのですよ。
しかし一つだけ指針になることがあります。
それは「自分が滅びないようするには、どう生きたらいいか」を
●考えるということです。
滅びてゆく人間には共通のファクターがあります。
それは、
●「自分しか見えなくなる。」です。
そういう人達に共通するのは、
自分の内部から突き上げてくる、
●自己防衛の感情に呑みこまれて、自分しかみえなくなり、
そこから、破綻や破滅が、クレッシェンドのように
拡大していくことです。
ほんとうに残念なのですが、人間はそもそも動物なのです。
だから、
脳に内蔵されている動物の時の名残りの脳(偏桃体及び辺縁系)が
一番強いのです。
※偏桃体及び辺縁系の脳は主に感情を司る脳です。
それは理性よりも強く、理性よりも早く反応してしまう脳です。
いちばん強い原始的なそれらの脳は、
瞬時に相手を威嚇し、否定し、攻撃しようとする感情を起こします。
その次が相手を丸め込んだり、狡賢く立ち回ろうとする、
小知恵の感情の脳です。
人間の無意識の根底には、
こういう否定と攻撃の衝動及び、
こ狡い感情が、
本能として潜んでいるのですね。
それらは本当に強く、
衝動や欲求として内部から突き上げて来ますから、
よほどの考察力を●磨き鍛錬していないと、もう
あっという間にその感情に呑みこまれて行動してしまいます。
また
それらの感情はエクスタシーでもあり、
それらの感情に乗っ取られて、その感情を発射してしまうと
もう胸の中がスッとして、一瞬とてもいい気持ちになります。
しかし、それは一瞬のエクスタシーでありますが、
そのあとは、
●厄介な代償がまっています。
つまり、他者との関係が取り返しがつかない、或は修復でなくなったり、
自分がどんどん窮地においこまれていく事態になったり、
或は
とても大切な人やものを失ってしまう、ということが
起きてくるからです。
そして、
このシリーズでも何度も書きましたが、
そういう感情を引き起こしてしまうのが、
自分の脳(こころ)に溜め込んでしまったゴミたちです。
もうお分かりですね、
優れた人間とは、
そういうゴミを●ゴミと認識し、
それをお掃除して捨ててしまい、
そういう感情に自分が囚われたとき、
ちゃんとそれを理性でコントロールできる人間です。
さらに優れた人間は、決して不用意に相手を否定しません。
まして<全否定>などありえません。
シリーズその1で書いたように、
相手を否定したくなるのは、自分の目が曇り、
なにも見えていないからです。
反対に他者は、良くも悪くも、宝の山であり、
自分が滅びないように<みせてくれている>、
鏡のような存在です。
だから、
優れた人間は、たとえ自分を否定したり、攻撃してくる他者でも
それを懐にいれ、喰っちゃうくらいの度量があります。
たぶんそれが家康でしょう。
その家康こそは、
闘争が好きではなく、むしろ、
よわむしで、いくじなしであったからだと
思います。
そういう自分でよし!
と自分を全肯定したうえで、
それを基盤にどう生き延びるかを
考えたと思います。
そして、急がず、何十年もかけて
自分の基板を盤石にしてゆきました。
一方
羽生名人は、相手の手筋を読み取り、さらに
そこからゴミを捨てきった頭脳で、果てしなく発想していくのでしょう。
ゴミを捨てれば捨てるほど、
そこに自分と相手との理性的な構図の、
全体が見えてきます。
おそらく羽生名人は、相手に勝とうなどとはおもってもおらず、
ひたすら、無心へと突入していくその思考のエネルギーは
将棋盤の全体を俯瞰しながら、
その小宇宙のなかで遊んでいると思います。
そこには、勝負を越えた、無限の可能性の宇宙がひろがっており、
もしかしたら、数学的宇宙かもしれませんね。
私は<ポアン・カレ>の世界を思い出します。
極論をいえば、
人生とは、
自分の脳に内蔵されているゴミとの格闘と、
その克服かもしれないと、私は考えています。
そして克服するには
自分を客観的にとらえ、分析する、
理性の能力が必要です。
どうしようもなく、湧きおこってくる感情や
それを発射したい衝動に
しっかりと●NOを言い渡し、
そして
理性から考察した道を選び、実行する<理知の世界>を
自分の中に構築することです。
それはいつも、自分との闘いであり、葛藤であります。
感情を発射してスッとするのではなく、
じっとそこを耐え、反対に学び、自分を乗り越えていくのです。
言葉で言えば簡単ですが、
それを遂行していくには、やはり賢明な努力が必要です。
これでもか、これでもか、と自分の中で湧きおこるゴミの感情を
エイ、と叱咤し、捨てる。
そして常に考察し、
決心し(覚悟)し、前へにしか進まない!
そういう自分を維持するための<極意>は
忍法 ◎ふりかえらない!
です…笑!
次回は最終回です。
何を書こうかな~!
ウエブマガジン【MIZUTAMA】より、
皆様ありがとうございました。
今、4号に向けて準備中です。
どうぞご期待ください。
次号も多分面白いとおもいますよ!
原稿があがってくるのを見ながら、私もゾクゾクしていますから・・・笑!