すべてご用立てしてから。 |
年老いたスターンが日本の学生達のオーケストラに
自分のヴァイオリンで模範を示しながら、音楽を教えていた。
何度も何度も弾きなおし根気よく丁寧に。
その光景は私の中に鮮明なイメージとして残っており、
20云年を超えて、
あの日、私の中によみがえってきた。
そのとき私の脳裏に浮かんだのは、
音楽がどうのこうのというのではなく、
歳を降るということは、つまり、
歳をとって成熟するということは、
こんなことだろうと思った。
長い時間をかけて叩かれ、
均され、磨かれ、
そして生き抜いて成熟した精神は
その最後にすべてを抱擁する。
スターンは、ひたすら良い音楽を教えたいという眼差しを
若者達に向けていた。
自分が長い間かかって会得した音楽という財産を
惜しみなく与えようとして、
教えることに夢中であった。
すてきだなー。
老いてこその妙味。
かっこいいよ、スターンおじいちゃん!
おじいちゃんは2001年81歳で大往生しました。
先日夕方、晩御飯を作りながらだから、チラッとしか見れなかったけど、
やっぱり初老のお医者さんが、
ホームレスの人々がこの寒さで行き倒れないように
雨の中、路上を往診して廻っていた。
こんな大人もいるんだネ。
世の中、
欲の皮の突っ張ったのや自分のことしか考えない大人ばかりがはびこって
いったいどうなるのかと思うけど。
昨夜はホストの人たちのテレビを見ました。
大変だねーホストも!
彼らも体を張って生きている若者達だッた。
それにしても寂しい女の人たちがいっぱいいることもわかりました。
お酒を浴びるように飲んで、くれぐれも体を壊さないように。
あっちを向いてもこっちを向いても
ため息ばかりが出てくる。
なんだか世界が八方塞りのようで
孤立している人間ばかりのようで心配です・・・。
それでも素敵な人間はいるもんだ。
多分素敵に熟した人間もたくさんいると思う。
私も自分をさらになめして
硬いところは叩きなおして
すべてこの世にご用立てしてから
あの世に行きたいモンですワ。