ちりとてちん、子草若のせりふ回し・・・! |
茂山宗彦の台詞が抜群にいい!
良い・・というのは
台詞と彼が一体で
体ぜんたいから
言葉がが出ている。
そういう
自然な呼吸の中に
台詞がしゃべられている・・。
他の俳優さんはうまい人でも
どうしても
セリフを言っている・・という
紙一枚の違和というか
隙間というか
演じているスキマが
微妙にあるのに
子草若は体から言葉がほとばしり出ている。
セリフがカラダを一巡してから
外に出ているような感じがする。
おそらくそれは
せりふを聴いている私達の肉体が
俳優達が言葉(せりふ)を発したときに感じる
かすかな呼吸の力みを読み取っている。
体の中に”せりふ”という
自分本来のことばではない言葉を
しゃべる時のりきみが
茂山宗彦氏のみが
ダントツに力が抜けている・・からじゃあ
ないかな・・と
思います。
彼は狂言という伝統芸能の中で
長い時間をかけて
せりふ・・という自己と違和な言葉を
肉体化する・・という技術を
身のつけたからではないかと
思う。
息を振動させて発する音エネルギーとしての言葉を
体の中で租借し、
皮膚化していく・・という
言葉のリアリズムのトレーニングの成果だと思います。
やはりローマは一日にして成らず
子供の頃からの集積の上に
あの子草若の台詞回しの妙があり
ほんとうに感心しました。
追、漫才も名人級は体がちゃんと使えてます。
志ん生なんかまさにそうで
ラジオから息づかいがみえたくらいです。
若手はなかなか体が使えていません。
やはり熟するまでには
時間がかかるのでしょうねえ・・。