光のほうへ! |
今日金子晴香さんの話を聞いていて
なるほどなーと思いました。
彼女と初めて会った頃の作品は
なにか薄暗い場所から何とか外へ出ようという
あがきのようなものを画面から感じました。
髪が顔全面を多いつくした原始人のような男が
鳥を掴んで歩いている画面でした。
その後
呆然と立ち尽くしている裸で坊主の人間や
ヘタレた山羊がシャワーを浴びているのや
土手をを転がり落ちる
犬かネコのような動物の群像や
どれもコレもがユニークで
どこか
ひとりぼっちで
生きてる必死さがありました。
今回彼女の絵はがらっと様子が変わり
明るい色彩で楽しく
またグルグル廻るモビールには
なにか生命に溢れています。
確実にこの四年間の間に彼女のなにかが変容しています。
どちらかというと私は以前の暗くへたれた、
そしてどこか深刻な画面が好きですが、
彼女は今
あの暗さには戻りたくないと
言うのです。
人間は日々変化しています。
その瞬間、瞬間の積み重ねが
いまの瞬間の”私”なんですね。
大きな流れのなかに私達の人生があり
今の金子さんは以前の闇の中から抜け出して
光のほうへと歩き始めました。
光のほうへ向かう人間の群像はまだおぼつかなく
でもそういうもんでいいんだと
思います。
人間はいつもおぼつかなく
ソンナモンなんです。
でも
前へ一歩
確実に四年の月日がたったのだと
思いました。
そんなことを考えなるなか、
ユラユラと
ハートや鳥や犬や鳥
そして男と女とスカートをはいた足の
モビールが
なんともひょうきんに
揺れています。