アートの窓から・・・・! |
私が『人間は誰もが懸命に生きている』と話すと
彼は「自分はそうは思わない、怠けている奴や
ズルイ奴は。。。云々」と反論された。
その時点で
私は彼と彼のアートに見切りをつけた。
市民社会のおきてや法や常識で
裁かず
また宗教や倫理や道徳を超えたところで
人間を捉えるのがアートだと
考えるからだ。
アートだけは
いっさいの既成観念の縛りを取っぱらい
なまの、ありのままの人間の存在へ
零地帯から
まなざしを向けることができる。
そういうまなざしに立っていないのは
アーティストとしての大きな欠落だと
思ったからです。
人間の意識なんて
特にじぶんの思い込みなんて、
ちっぽけで
そんな貧相な窓からみえる風景は
やはりどこかで、何かをはじいたり
歪んだりする。
たとえ市民社会の法なかでは
犯罪かもしれないものも
また異端かもしれないものも
先端ゆえに
異端ゆえに
鋭く本質を突くものもある。
アーティストの
その光の当たらない
闇の奥まで突き刺し、凝視するまなざしから
湧き出たものこそ
だからこそそこに普遍性が
生まれる。
市民社会の中に
こじんまり納まって
安全で心地よい
無難なものを描いて
一時のイインパクトはあったとしも、
人間の仮面の防衛を受け
真実の手前で
陶器の表面に当たった矢のごとく
つるり・・と
落下してしまう。
そのつるりとした陶器の鎧を貫いて
なお
迫ってくる真実に
私たちは
感動するのだと
わたしは
思います。
そして
その突き放した窓からみえる風景は
確かに
どんな人間も
だれもが
自分に課せられた宿命的な縛りと戦いながら
懸命に
生きているのだと
思います。