R-1グランプリ、勝ってに総評! |
まず最初に”渇”を入れたいのが”あめあがり”の司会。
特に宮迫のつっこみが仕事をなしえていない。
全体がドンと重く冴えない空気は、
雨上がりの司会の下手さだと思います。いかに
今田耕司の司会がすごいかをあらためて知りました。
優勝の”あべこうじ”氏はとてもおしゃれでステキな芸でした。
小道具を一切使わず、しゃべくりだけで、特に
葬式の愛人描写はオモロかったですし、色気がありました。
世の常識からはみ出している人間が
話術のなかでさらに転がされて
どんどんわらいものになっていく。
調子のいいテンポと軽口で、
巧妙に客をはめていく、そういう芸を
今後に期待したいです。
2位の江原君は、いつもの自信のないのが垣間見える芸よりは
ずーつと良かったですが
やはり芸がパッチワークで、客の笑いをとっても
なにか一本の筋が通っいない危うさを感じました。
3位のナダギ氏は、一本めのチンピラの人物描写は
おもしろかったのですが、
この人もなにかいつもどこか不全感があり、
裸で勝負し切れていないように思います。
こんなに何度も挑戦しているのは、
本人自身にその壁を越えきれていないという自覚が
あるのでしょうかねえー?
4位の川島氏は、彼がマニアックで攻撃的だという本性?が
出ていて・・笑い、しかし
自慢の声を使ってアレンジしたというだけで
アレを芸といっていいのかと、思いましたが・・ねえ?
5位のあさ子姉さんは、ほんとうにがんばりましたねえー。
わたしなど、「食べなくても、太る」というくだりには
切実に共感しました(笑い)。
体のラインをすべてさらけ出して、でも、どこか愛嬌と
けなげさが魅力的でした。
あとは
7位のバカリズム。
昨年の”学究肌芸(先生芸)にくらべ、
ことしはちょっと完成度が低かったかなー。
ほんとうは昨年のR-1は
彼が一番素晴らしかったと思いますし
そういうところの評価がこのR-1グランプリでは
ちゃんと評価できているのだろうか?
審査員の力量が問題かもしれません。
それと
私自身の頭の中に一番印象付けられたのは
カウカウの輿志君の芸で
いわゆるくすぐり笑いの芸ではかなり
完成していたんじゃーないかなー?と
おもいます。
評価されなかったけど
とても
良かったと思います。
最後に審査員のなかで
面白かったのが
伊藤四朗さんと板尾創路氏。
伊藤氏はさすがだなあーと思いましたが
板尾さんのほうは良く分りません。
この人を良く知らないからなんとも言えませんが。
それと清水ミチコさんと太平サブローさんは
あんまり審査員として適していないように
思いましたが・・・・?
この世からズレたりやはみ出したり
陳腐やケッタイやらのおもろき世界を
ピンの芸で
笑わせる難しさ
芸人さんどうも
お疲れさまでした。
追
思い出したので書きますが
笑いと言うのはどんなにヘタレていても、救いようがないほど絶望していても、
そこには、反骨の生命力があります。
・我人祥太氏の場合はそれを理解しえていない不熟さがありました。
そのてん、
決勝には出てこない、あるいは制作の側から出したくないのかもしれない
”ガリガリ・ガリクソン・君などは
そういう力と存在感があり、彼はそのぎりぎりの反骨でやっているから
凄みを感じます。いいです。
キングオブ・コメディの今野君なども
自分を刺しながら、返す刀で客も刺す
そういう反骨があるから
安定感をも持ってます。