山本義隆著「磁力と重力の発見」 |
山本義隆氏、元東京大学全共闘代表。
大学生の時、東大闘争で捕まった山本さんの
裁判を傍聴に行きました。
めがねの奥のぐりぐり目玉を左右に動かせながら、
懸命に裁判官と論争する山本さんは、
真剣でまじめに自分の思いを展開していましたが
裁判官は時々おちょくるようなふざけた態度で
ああーこれが、ほんとうに日本の裁判かと
驚きました。
氏はその後東大を去り
どうしておられるのか知りませんでしたが、
今回新聞で
予備校の教師をしておられことを、
また紹介されている「磁力と重力の発見」と言う本が
並々ならない気鋭と研究の成果であると知りました。
山本さんが惜しくも東大を去られても
いや、どこにおられてもその明晰なる頭脳と才能は
やはり実を結んだんだと
とても嬉しい気がします。
当時
この国の行き越しに不安や疑問をもち
また東大という高級官僚育成の大学のあり方に
疑問符問うわかものたちの先頭に立ち戦った
山本義隆氏、
今のこの官僚の退廃した国のありさま・・・は。
しかし
「自己否定に自己否定を重ねて
最後にただの人間ー自覚した人間になって、
その後あらためてやはり一物理学徒として
生きてゆきたいと思う」
とある氏の言葉は
やはり氏もそこまで行き着かれたか・・・と、
私の胸を打つ・・・。
何が良くて何が間違っていたかなど
分りようもない。
ただ
ひたすら氏もわたしも
自分の真摯なる良心にしたがって
あの若く未熟な日々があったと思う。
<遠隔力>に着目する大きな歴史観・・と評された
山本義隆著「磁力と重力の発見」全三巻
果たして私に読みこなせるだろうかと
いささか不安があるが
買って読んでみようと
思います。