やっぱりナー!? |
今読み終えたばかりの本です。
昨日の夜から読みはじめ、
先ほどこの本を読み終わりました。
読み終えて、
やっぱりなー・・・と。
著者は以前NHKのニューヨーク・ワシントンの特派員
支局長をしていた日高義樹さんで
この人の特派員報告を何度も見ました。
アメリカから見た、或いは、
欧米から日本はどう見えるのか、
また世界の実情はどうなっているのか・・・などを
知りたい時に
この人の本を買って読みました。
ちょっと軍事オタクと言うか、そういう偏りもある人なので
日頃の私の視点とはかなりズレルのですが
でも、感情や幻想に捉われないで
世界の現実を知るにはとても参考になります。
さて
どうして今回この本を取り寄せて読んだのかというと、
あのオバマが鳩山総理に対してとった態度が
どうしてもげせないナーと思い、もしかしたら
オバマは日本のことなど眼中にない
アメリカ大統領かもしれない・・・と
思ったからです。
確かにあのおばかなブッシュに代わって
オバマが登場し、私もあの演説の原稿を読み
とても感動し、またとても期待しました・・・が、
オバマ氏の顔の中にどうしても
スケール感を感じることができない。
野心や野望に満ちたギラギラ感はなく
どちらかというと、理知で内向的に見える彼には
清濁あわせもち、現実的な政策をどんどん打っていくような
迫力がない。
高い理念に満ちた理想主義者かも知れませんねえ・・・。
第二次世界戦争以来、
世界の警察と称して
ズーッと世界のどこかで戦争をし続けてきたアメリカが
もうかなりくたびれてきて、
オバマになってからは
戦争をするより、もっと内向きなアメリカへと
方向転換し始めました。
そのことは、コレまでの
戦争により経済を維持をしてきたアメリカが
オバマ政権の出現により、戦争から手を引きだし、
たぶんその代償として
少しずつ弱体化していくだろうと思われます。
そしてオバマは世界に覇権するアメリカの腰ぎんちゃくのような
日本には、余り興味はなく、
中国と言う、自分の脳の記述にはない東洋の不思議な国
中国にえらい幻想を抱いているようです。
だから、小うるさい日本の鳩山・・フンじゃあー夕食の前の10分だけ
話を聞いてやるか・・・とい言う感じだったかもしれませんねぇー。
世界の政治の世界も、個々人の人間と同じように
その国家に記述されたデーターに基づいた文化文明と
国家戦略があり、
それぞれが人間と同じように、心理パワーゲームをすると
わたしは思っています。
この本を読み終えて
最後に日高さんが言っているように
もしかしたら、このオバマのアメリカの数年間は
日本にとっては
アメリカから自律するいいチャンスが来るかもしれません。
アメリカはピューリタンとしてイギリスから独立戦争を
勝ち取り、まあ南北戦争などの内紛もありましたが
しかし近代は、殆ど自国の外で戦争をしており、
自国が内部から崩壊するというのは
まだ経験していません。
確かに建国時のフロンティア精神に基づいた
開拓の国ですが、
それは自らの希望で出国し
インディアンを押しのけて
土地を開拓していったのであり、
自国を空爆で崩壊される民衆の心を
知っているとは思えません。
今回の経済破綻を経て初めて
危機意識らしきものが見えたのかもしれませんが、
攻撃されて、虚無や絶望の中から
立ちあがって、また自国を築いていくという
自己基盤を経験していない歴史の浅い国です。
アメリカの心理ゲームって一体何なのだろうと
思います。
伝統のない国あめりか
寄せ集めの国アメリカ、
資源の豊かな国アメリカしかし
先住民から、土地や権利を奪ったアメリカ。
そして自国の記述のみをグローバル化しようとして
中東に手を焼いている
単純なアメリカ。
良く良く見るとアメリカには
戦うアイデンティティーはあっても
共存し、共立していくという方法を持っていない。
そういう心理不安を持っている国だと思います。
心理不安がある者は常に
攻撃的です。
攻撃しながら自分を維持していくのです。
だから
もしオバマがそこの蝶番をはずしにいくのなら
用意周到にバランスをくずさないような
緻密な国家立案と計算と方法を持っていないと、
アメリカは沈没していきます。
それに比べ日本はどうでしょうか・・・。
2000年以上の歴史と伝統をもち
そこに記述されてきたDNAを私達は血の中
もっています。
松岡正剛さんは、日本的方法の典型として
”タラコスパゲッティー”を例に挙げます。
他国の文化や文明を
上手にアレンジして、
日本独特の第三のものに造りなおしてしまう能力。
それはまだ日本に字というものがなかった時
中国から漢字を輸入し、しかし中国読みではなく
日本独特の文字音声にアレンジし
またそこからカタカナやひらがなまで発明した
日本と言う国に内在する、或いは潜在する能力。
凄いです!
確かにこの100年間日本は外的世界への覇権をしようとして
失敗し大きな痛手を受けました。
しかし焦土と化した国からまたやり直し
アメリカに追従し、防衛されて発展して来ましたが、でも
まさか日本が自国の記述をグローバル化しようなんて
思いもしないでしょう・・・に。
自国をわきまえ
自国の限界を知りその上で
他国や他世界の記述を自国流に書き直して
生き延びていく日本。
この日本と言う国の
ポテンシャルを
オバマが理解できないとしたら、
或いは
ないがしろにスルのだったら
もー
言うことはありませんね。
それとせめて日本の政府がそういう
「日本の矜持」を
もっていて欲しいです。
鳩山氏は松岡正剛さんの「連塾」に出ていたはずですから・・・・。
まあ
様子を見守りましょう。