築いていく人と崩していく人・・・。 |
連載
『ばんざいー、もう直ぐ死ねるぞ!』
・この醍醐味はワカゾーにはわかるまい!
○ 築いていく人と崩していく人・
これは私の独断と偏見でありますが、
人間には二種類の人があるように
思います。
一つは築いていく人
もう一つは崩していく人で、
以前は築いていく人の方が多かったように思うが、
最近は崩していく人のほうに出会ってばかりいる。
築いて行く人の特徴は、他人の話を聞くことができる。
この、他人の話を聞くということは、
儀礼的や作法として、聞くのではなく、
自分にとって価値のある話を聞くことができる・・と言う意味です。
元来、他人の話を聞くことは、ストレスでもあり、
意味のない話や、面白くもない話を聞くことは
エネルギーの浪費で疲れるばかりです。
しかし
どの人が自分にとって価値がある話をするかを
見分けるには、まず、
若いときから、自分以外の人の話の中から宝石を
拾おうという意志があり、
マズは玉石混交で話を聞く・・・というトレーニングができていて
ヤガテ、どれが玉でどれが石かを見分ける
眼力がついてくる。
初めから
他人の話を聞くつもりも意志もない人は
そういうトレーニングができないから、
いつまでたっても
誰が自分に価値ある話を聞かせてるかが
解らない。
これは長い年月を経たときには
かなりの人間力的な差となってしまう。
崩す人たちは
せっかく築いても、
最後にはそれを崩してしまい、
何度も何度もやり直しばかりを繰りかえす。
この人達は自分と他人の間で築かれていくものに
気がつかないし、
また、築こうとも思わないから、他人の中にある物を
取り入れることより、
私が、私がの、私側からの風景しか
見ようとしない。
自分と言う限られた情報と価値観でしか
まかなえないから、当然ヤガテは
枯渇していくのは目に見えており
行き詰まっては、崩れ、またやり直しとなって
しまいます。
以前一緒に仕事をしようとした或る作家がいます。
彼女の作品がとても面白いので、
或る企画を提案しました。
しかし、彼女は最初の私の提案を
こんなこと前にやったがダメだったということで、
一言の元に否定しました。
えー、詳しくも聞かず、コンセプトのことば上だけで
否定するの・・とびっくりしました。
私はおそらく誰もやったことないようなステージに
彼女の作品を載せたいとおもっており、
もし私なら、
以前と同様の企画かもしれない・・・と思っても、
もっと詳しく具体的に聞かせてください・・と
言います。
人間はひとり一人が全く違う世界を持っており
共通のことばで話していても
そこには大きなズレや違和があります。
また
そこは自分の想定外や
意外性が潜む世界でもあり、
もしかしたら・・の可能性があるかもしれず
マズはじっくり聞きます。
その作家から見たら私は自分以下に見えたのか
価値がないように見えたのか、
とにかく彼女のそういう姿勢に
これじゃもう、あまり見込みないなあーと
自分の中で見切りをつけました。
物事を築いていくということは
とてもしんどいです。しかし
そのしんどさを続けていくうちに
自分も育っていきます。
冒頭に書いたように、
ホンモノかニセものかの見分けも
ついてきます。
それに
他人の中にあるものと
自分の中にあるものとをコラボレーションさせていくなかから
次の新しい世界が見えてきます。
それは仕事でも
人生の生き方でも
同じだと思います。
最近古くからの友人がいよいよ離婚となりました。
いろんな事情があったと思います。
彼女にはうちの娘と同じ歳の娘がおり、
ふたりは幼ななじみでもあります。
娘に彼女の離婚の事を話しましたら、
○○チャンはどうなるの、
あの夫婦は今まで何を築いてきたのさーと
苦々しく言い、
嘆きました。
離婚がいけないとは決して言いません。
人生いろいろです。
いつでもやり直すことができると思います。
それに離婚こそしていないが、
お互いが憎みあっている夫婦だっています。
が、
一方で
あなたは、何を築こうとしているのですか・・・と
問われているようにも
思います。
人生は
長いようで短いです。
出会うこと
違和を受け入れること
和解すること
すべてにおいて
自分を深く考察するということが
とても大切なように
思います。
