人生のお手本! |
『ばんざいー、もう直ぐ死ねるぞ!』
・この醍醐味はワカゾーにはわかるまい
○ 人生のお手本!
銀行でばったりとMさんに会った。
ホボ三年半ぶりくらいです。
Mさんは私が手伝ったA女史の選挙運動で、
もう60余歳をとうに超えていたが
キビキビと事務処理ができ
なかなかデキル女性で、
A女史も何かと頼りにしていたらしい。
私はポスターやチラシのデザインや割付
選挙演説の原稿造りなどをやり
事務所へは、必要があったときだけ
出かけていたから
ぜんぜん知らなかったのだが、、
有るときA女史から、
事務所でまかないを仕切っているBさんが
Aさんをいじめて困ると相談された。
気づかなかったがそういえば・・・と
以来事務所に行った時は注意して見るようにしたら、
ああー、
例えば昼ごはんの時なぜかMさんだけには
声がかからず、
またBさんがいる時、なぜかおばさんたちは
Mさんによそよそしい!
まかないを仕切っているBさんは、
でっぷり太ったおばさん?(おばあさん)で
いわゆるボスタイプの女性です。
感情の起伏が激しいことが
顔中に出ている。
この人のヒステリーを
みんなが恐れているのかと
思ったが、
私はそんなことお構いなく
Mさんとは普通に話し
食事のときには声をかけた。
さすがにBさんは私に攻撃をかけることは
出来なかったが、
女性の嫉妬に駆られたいじめの凄さというか
いい年をしても、変われない人間の業というか
そういうものを見せつけられた
気がしました。
余りひどい場合は
Mさんの緊急避難をA女史と考えつつ
それでも、昔女史にお世話になったということで
Mさんは最後まで頑張ってくれた。
選挙が終って事務所が解散になり
以来Mさんとは会う事もなく、
その後のこともまっく知らないのだが、
Bさんとは西武デパートで時々顔をあわせ、
向こうはなんだかバツが悪そうに
そそくさと逃げていくようなかんじがしていた。
ばったりあったMさんは以前より老け込んで見え
立ち話ながら
アノ時はよく頑張られましたねーと
遅いながらねぎらったら、
あの時、もう肺がんで闘病されていたご主人が
毎日Mさんを精神的に支えてくれたこと、
自分たち夫婦の気持ちとして、
A女史への恩返しができたことで
なんだか肩の荷がおりたこと。
そして今は、ご主人も亡くなり、
息子さん一家と同居しているなど
なんだか胸が詰まりそうになりながら、
お話を聞いたが、
それでも美容院の予約時間がせまり、
それでは・・とお別れして数歩あるいたとき
Mさんが、○○さーんと私の名を呼び、
また立ち戻ってこられた。
「正直にね、ほんとの事を言えるのは
主人だけだったから・・・ね。
いくら一緒に暮らしていてもね、むすこはちがうのよ。
私は主人をなくしたけど、貴女はまだ・・ね・・・」と
私の手を握られて、
話された。
そうか
世の中で
何でも
ぶっちゃけて話せるのは
うちのオッサンだけかーと
改めて・・・うん、うんと。
でも
そういう孤独のなかでも
しゃんと背をのばして去っていったMさん
ステキです。
我先輩、
お手本に
します。