独裁者たちの末路! |
この独裁者の顔も
おぞましいです。
昨日の夕刊に載った彼の顔には、
まさしく弱い人間の怯えがでていて
こんな弱虫にやられていたんですねえー。
ヒットラーをはじめ
独裁者というのは、
みんな裏側に弱ーい怯えた自分があり
それが裏返って、
狂気の冷酷さや残忍さがでるんですね。
とんでもないくらい弱いから
とんでもないくらいの権力を持とうとする。
そしてその周囲には
そういう闇を共有する人間たちが
集まってくる。
弱い弱い人間の群れです。
家康が成功したのは
そういう突出した狂気の才能ではなく
大勢の人間が力を合わせられるようなシステムを
作ったからだと思いますが、
そのあたりはあまり知らないので
多分そうだろうなーあというくらいしか
私はわかりませんが・・・。
将軍を頭にしたヒエラルキーを
組織して万全にする。
将軍はいわゆるシンボルで
その周囲を囲むシステムに
有能な人間を配置できるようにする、
ですかねー。
話は飛びますが、
アートセラピーで絵を描いてもらう時
必ず画用紙のヘリにそって黒い枠を
描いてもらいます。
実はこの黒い枠が大切で
その枠を描くことによって
その人の無意識に安心をあたえます。
つまり、自分という枠のなかだと
人間は安心するのです。
枠はそのひとの限界を守り
人格の逸脱を防ぎます。
逆に枠をはみ出し、超えようとするときに
不安や恐怖がおきてしまいます。
人間の体はいつも
ホメオシスタス
(恒常性=体内の内部環境を一定に保とうとする働き)があり
現状を維持しようとします。
そこに異変がおきると
動悸がはげしくなったり、
血圧が上がったり
時に熱をだしたりと
身体に負荷がかってしまいます。
だから人間はなかなか自分のマインドセットを
外したり、
越えたりできないのですね。
しかし
それでは進歩や進化がありませんから
少しずつ自分のマインドセットを変えていく。
ゆるやかに
変えていく、そういう
時間の戦略が大切で
そこが分かっていないと
自分の限界以上のことを性急にして
失敗したり
不安や怖れに乗っ取られて身動きできなったり
します。
不安や怖れが深い人は
自分をはやく安定させるために
過激な行動をとる。
独裁際者とか
教祖とかいう人間たちはまさに
大きな不安を背負っているがために
行動、行為が過激に極端になってしまうのは、
実は
自分が信頼できない、
自分に自信がない人達だからなのですが、
時に
民衆、大衆はそれを勘違いして
その行動を英雄視してしまい、
祀り上げてしまいます。
そして彼らは権力奪取をしたあと
自分の心理の反動で
恐怖政治を敷いていきます。
家康は多分
自分の限界をよーく心得ていたひとでは
なかったんでしょうか・・。
自分の限界を熟知しながら
ことを為していく。
自分の周囲を整えながら
有能な人間を配置し
英知を総合して
システムを作る。
士農工商という身分制度は
そういう枠の中で
役割を分担し、かつ
士という理念をもった人間、官僚を上に置き
藩を経営させ
富が集結しやすく、独占を図りやすい商を
一番下に置いておく。
生活の土台となる生産物をつくる農と工に関しては
実利的な富は少なく、
特に農民の暮らしは貧しいが
プライドを与え、富ではなく心理的優位を
補償する。
藩の独立性や独自性を図りながら
参勤交代と親族を江戸に住まわせ
藩のなかでの富の集中を防ぎ
将軍のカリスマのもとで
日本全体を包括していく。
なんだかすごいですねえー。
でもそれも300年の時間のなかで
人間という
よりよく生きようとする
意識や理念をもったいきものの
常に変化し、前進していく意志をもった
いきものの矛盾を
止揚できず、
幕末には
そのシステムが破たんし
下級武士たちに
突破されてしまいました。
人間は現状を維持しようとする体の枠(ホメオスタシス)
の中にありながら、
一方で脳は
常に外界から刺激され、
変化しているという
身体とこころの矛盾をかかえて生きています。
それでも人々は
偶有的な出会いの中で
新たな世界を直感し
生命が発火し、
ジャンプして輝きながら
そこに新しい自分を発見していきてます。
自分という枠のなかで
自己保全しながら
しかし常に
その枠を壊しながら
前へ進む。
それは自分の中に内在する不安や怖れとの戦いで
しかしそれでも
脳が示唆する新しい自分への響きを聞くと
それを乗り越える勇気が湧いてくる。
乗り越えたときに
不安や怖れが
一つずつ克服されていく。
そうしながら
自分がしゃんとそして
力強く大地にふんばって、
自分を生ききることを
為してこそ
あの独裁者たちがとうてい手にしえなかった、
善く生きる充実
十全に生きた誇りを
手にすることができるのだと
思います。
人間にとって
ただ身一つで死んでいくとき
このこと以外に
何が必要であろうか・・・・と
私はいつも
思います。
独裁者たちの末路はいつも
空虚で、
信長も
秀吉さえも
哀れだったなーと
思います。