人の顔とは・・・。 |
都バスで旅行をする番組を見ながら、
もし、このイケメン俳優が整形をしていなかったら、
もっと多様に活躍できたのになーと
思う。
整形した顔は、それ以上に動かず
内面からの輝きを
外にだすことができないでいる。
このイケメン俳優というか元ロッカーというか
本当はかなり面白いひとだったように
記憶しているから
歳と共に彼が熟した顔であったら
もっと俳優やそれ以外にも
可能性が開いていったと思うけど・・・。
これは私のど独断ですが、
人間の顔は脳と直通しているように
わたしは思う。
脳の皺ができるように
顔も脳の内容にそって変化しているように
思えてならない。
だから70,80代のおじいちゃん、おばあちゃんの顔は
それぞれに味があって
私はいつも美しいなあーと
思う。
それは人生の年月で、
だんだん自我の灰汁が取れてゆき
その人の自我の陰影が顔に顕れてくるからだ・・・と
思います。
生きてきた重さというか、
尊さというか。。。
カウンセリングをしていると
時に相談者がじーっと自分の内面を
みつめているときの顔の
美しいこと。
また怒りに突入し、
形相は荒々しくも、
しかし感情が一筋に集中されている、
人間の脳の高ぶりの迫力ある顔も
みごとに美しいです。
おそらく、
室町の能面の作者たちは
この人間の心身の集中が高まったときの美しさを
心得ていたのではないかと
思います。
特に夜叉の面などには
それを美しいとする
高次な人間観が必要です。
人間の心(脳の働き)はそのまま
顔に連結され、
苦しみや憎しみのときでさえ、
一点に集中され、感情の気密度のたかい顔は
なにものにも代えがたい、気高さがあるように
思います。
人間の顔の美しさは
その造詣がどうのという
レベルの低いものではありません。
造詣の奥から透かし彫りにされていく
その人間の内面の光と影の織りなす
次元の高い美の世界で、
その人間の人生の物語を
映し出している、その人だけの
宝物です。
相談者の中には自分の容姿に
コンプレックスを抱いている人もいるが
わたしから言わせれば、
そのコンプレックスさえも、その人の顔の
陰影を形作っている美の一つです。
女優さんでも
自分の歳月どおり歳をとり
皺が浮かび
老いをゆくひとには
その存在の重さが感じられます。
もし自分というものを
大切にしたければ、
自分のすべてが人生の小道具で
衣装で、深層心理は背景でしょう。
そういうすべての上に
自分という人生が成立しているので
あり、
世間に合わせてリセットしてもやがて
世間から裏切られるだけです。
頭のてっぺんからつま先まで
すべてが必然として
この世に生まれてきた自分を
こざかしい浅知恵で
台無しにしないこと。
昨日も書きましたが
人間は、潜在意識でもっと深いとこを
見ており
まっとうに生きている人は
表面の造詣などには
ごまかされません。
ただ
自分の欲望を満たすために
他人を消費していく人間のみが
浅く
軽薄に
人間をみる
それだけです。