”拡張する自我」と「委縮する自我」 |
Qちゃんと松田君が
女性漫画家の家を訪問するという
テレビをみた。
この50歳近い女性漫画家は
都会の女性のおしゃれな恋愛を
描くひとだそうで、
娘に聞くと、
それなりのひとらしいです。
彼女自身もすらりとしており、
性格もさばさばして
頭の良い女性のように見えました。
彼女のうちが何区にあるか忘れたが、
都内の確か山の手の住宅街で
6LDKとかの白い瀟洒な
家でした。
中に入ると大きなリビングには
コルビジェはじめ、
海外の有名デザイナーの家具が置いてあり、
椅子一脚が6,7十万するらしいです。
ご主人は彼女に代わって家事をやり
家を切り盛りしている主夫として
紹介されましたが、
ちょうど掃除機をかけていて
まあー、Qちゃん顔負けのボケをやる人で、
とてもいい感じの人に見えました。
家を案内して二階の寝室にいくと
天蓋のかかった素晴らしいベッドがあり、
しかしそこには漫画家の彼女しか
寝ていない・・とのこと?
えーッ、
それじゃー
旦那さん・・・?
というと
彼は一階の
メイド用の小さな部屋に
ここのほうがいいと
そこで寝ている・・・との
ことでした。
万年床、らしきものが
三畳ぐらいの部屋いっぱいに
敷いてありました。
なんだか
このご主人の気持ち
わかるナー!
いいですねえーこのご主人!
その時私の頭に浮かんだことばが、
「拡張する自我」・・・と
「委縮する自我」・・・で、
仕事も含めて
拡張していく奥さんの自我・・・と
ご主人の
自分の等身大を守ろうとしている
委縮とは言わないまでも
拡張する自我の中にとりこまれたくない・・・という自我。
しかし、これはかなり
まっとうな自我・・・です。
このご夫婦が、そうか、どうかは
わかりませんが、
人間というのは
知らず知らずに、自分の潜在的な欲望や、欲求を
拡張させていくもので、
怖いことには
自分の思い通りに欲が叶ってしまうと
よほど自分をコントロールしないと、
今度はその欲望や。欲求にとりこまれて、最後は
呑み込まれて自分を
見失ってしまう。
漫画家さんだから
その辺はしっかり
自分を客観的に見ておられると
おもいますが、
このご主人の位置というのが
そこのブレーキ的な作用をしており
拡張する自我の暴走を
無欲や淡々とした自我が
微妙に抵抗して
効いている。
まあ
私の勝手な、妄想ですが
このご夫婦の位置関係を
人間の深層心理の窓からみて
そのバランスの微妙さが
面白いなーと思い
書いてみました。