アンデルセンの童話より・・・裸の王様! |
「王様の新しい服」(裸の王様)です。
王様は
政治などちっともせず
おしゃれをして
それをみせびらかすことばかりしている。
王様なのに・・・・・!
在るとき詐欺師が二人やってきて
王様に”魔法の布”で服を造ることを
すすめます。
自分の仕事に向いていない人や
どうしようもなく頭の悪い人には
見えない魔法の布です。
二人はせっせと機を織るふりをして
仕事をしているように見せかけます。
王様は途中で部下たちに
様子を見にやらせますが、
部下たちも
自分が無能だと思われたくないため
素晴らしい布だと絶賛します。
そして布が出来上がり、
パレード用の衣装に仕立てられ、
王様はそれを着て
町を行進します。
パレードをみている
町中の人間も
自分はバカだと思われたくないために
王様の服を絶賛しますが、
ただ一人
子供だけが
「王様、はだかだよ!」と言います。
そのことばに
みんな、はっと目が覚めるのですが、王様は
ここでやめてしまったら
パレードが台無しになってしまうと
ますます威張って
行進をつづけました・・・・・!!
このお話はあきらかに
アンデルセンの男性性が
作用して書いたお話で、
彼の同性や
権威にたいする
手厳しい見方が
はっきりと表れています。
彼自身が虚栄に溺れる
権威も
それに追従する
大衆をも
いかにシニカルにみていたかですね。
その滑稽さを
あぶり出していることは、
彼が馬鹿な人間を好きではないことも
よーくわかります。
しかし一方では
子供に裸を指摘されたにもかかわらず
王様は、行進をやめず、続けます。
アンデルセンはなぜ
王様は恥じをかかされて逃げて行った・・・と
結末しなかったんでしょうか・・?
私はこの王様の姿に
なぜか、出川の哲ちゃんを思い浮かべました・・・笑!
もし王様が逃げ帰ったら
王様の権威はがた落ちで
国民とのバランスが崩れてしまいます。
そこにある微妙な秩序が崩れて
混乱がおきかねません。
しかし王様はパレードを続けたことで
王様もバカでだけれども
ひとびともみーんなバカで
あーあ
騙されたという笑い話ですんで
でしまいます。
しょうがねえーなあー・・と・・・笑!
そこに私はアンデルセンの男性的なアダルトを
みます。
男性的アダルトの訓練された
バランス感覚です。
素晴らしいです。
彼は王(権威)からも
大衆からも自立しており
その両方からちゃんと等距離を保ち
その中央に自分を
立てています。
だから
おそらく彼自身はいつも
孤立しているでしょうし
孤独だとおもいますよ。
しかし
両方の風景をちゃんと読み取っている。
その上で
素晴らしいのは、
彼は両方を
否定しません。
否定すると寓話的になり
作品の質がおちてしまいます。
勿論彼は権威には屈せず
しかし
大衆にも迎合せず
その関係性のバランスをわかっているから
ひとりで
黙ってみています。
それは読者の立ってる位置でも
あるんですね。
そして
例え馬鹿でも王様まは
堂々とさらに威張って行進をつづける。
だから
王様ナンですね。
そして
それを見ているひとびとも
自分もうっかり乗せられてしまったバカだけど
でも、傷がすくない。
もし王様が逃げ帰ったら
国民たちも後味が悪く
自分の愚かさと
向き合わなければならなくなります。
いいんですね
両方とも
ばかで・・・・・!
深く追求しない・・・・笑!
アンデルセンの中の女性性と男性性は
とても見事にタグを組み
それが物語の中心軸にとしてあり、
だから
物語がへんな崩れ方をしません。
その辺の感情のコントロールが
素晴らしいですねー!
ただ男性性の方はかなり
確立しておりますが
女性性の方は
まだまだです。
その女性性を
どう育てていくか・・が
次の物語の人魚姫や
白鳥の王子に出てくる妹姫
そして雪の女王の
女たち!
そこにどんなメッセージが
あるのでしょう!
そして
さいごが マッチ売りの少女
です。
さてと、
ではまた、
次は人魚姫です。

右の二人が詐欺師です。

堂々たる王様の行進です。
・小峰書店発行 「アンデルセンと13の童話」より
挿絵 ジョエル・スチュワート

やっちょります!
● 最近、ブログを書くだけで精一杯で、ちょっと疲れてきたので
コメントンに関しては、お返事を書かないことにいたしました。
でも記入はご自由にどうぞ!
素敵な本を紹介してくださり、ありがとうございました。