シリーズ”風のエッセイ” 国原は 煙立つ立つ |
あゝこれはいいなあーという
歌があった。
大和には 群山あれど
とりよろふ 天の香具山
登り立ち 国見をすれば
国原は 煙立つ立つ
海原は 鷗立つ立つ
うまし国そ 蜻蛉島 大和は
舒明天皇
この国には 山は数あれど
とりわけ美しい 天の香具山
そこへ登ってみれば
里には 家々のかまどの煙が立ち上り
海には かもめが群れ飛び
麗しい国よ
蜻蛉島の
大和の国よ!
作者は舒明天皇かもしかしたら
他の宮廷人かもしれない・・・と
いわれていますが
この歌には
生きることは、生活することだというのが
たとえ宮廷人と言えども
わかっており
そこにしみじみとした
感慨を
つまり
いいなあーと
私は思うのです。
この頃
この世、特に政治や経済のことで
ほとほと嫌気がさしている自分がいます。
遠い未来を遠望しようと思うのですが
それでも目の前の有象無象に気持ちが
覚めて切っていくのを感じます。
もう
うんざりしすぎて
何も湧いてこないという感じですが、
先日久し振りに
”イロモネア”を見ました。
その時
”キャイーン”のウド鈴木と
”ずん”の飯尾君が共演していました。
二人ともずば抜けてオモシロく
特に飯尾君はいい味を出していました
特にサイレントでは
ウドちゃんが
吹き矢で飯尾君を殺そうとするのですが
その刺さった吹き矢で
飯尾君の肩こりがなおり
とうとう五十肩も治っちゃう・・・という
笑いで
いわゆる熟成したかんじがありました。
何でもパロディーにして
笑いにしてしまう・・・。
その時
こういう人たちと
一緒にいよう・・・・と思うと
やっと
自分の位置が定まり
ほっとしました。
ぷんぷんと生活が臭ってくる
大衆の真っただ中にいて
そこで胡坐をかいている。
上昇しない・・・。
いつの世にも
上がどうであれ
里の民家の竈から上がる煙を
見ている・・・ということですかねー!
『伝心柱マガジン』