しんどい! |
門の前の落ち葉を掃除していたら
近所のNお婆さんが通りかかった。
彼女は一人暮らしをしていて
もう、80はとっくに越えている。
あゝー、お久しぶりです・・と言ったら
いきなり
お向かいの塀にもたれかかり
あゝーしんどい
坂を登るのはしんどい
二回も休んじゃった・・・といい
そして
もういい、
生きるのはもういい・・と言い出した。
私は内心、困ったなあ・・と思ったが
そこに
近所の70代の主婦が来て
話に加わりだした。
その瞬間、私は更に
困ったなあ・・とおもった。
なぜなら
この主婦は、70を過ぎても
他人を自分に惹きつけたくて
たまらない人だからである。
案の定
お婆さんは、その主婦にも
しんどい、しんどいからもう、
生きたくない・・という事を言ったが、
しかしその主婦は
でも
歳をとったら筋肉が弱るから
歩いたほうがいいとか
掃除はほどほどにして・・とか
いわゆる世間話的助言を与えながら
隙あらば
自分の事を話そう・・という感じで
お婆さんの話に受け答えをしていていた。
お婆さんは、その主婦の話にだんだん
うつむき始めたが
それでもそのお婆さんは
しんどい・・を繰り返しており
話がかみ合わないなか
私が
しんどいよねえ・・と一言を言ったら
お婆さんの顏が一瞬輝いた。
それから
その主婦が言葉を発するたびに
お婆さんの顔は曇り、
わたしが助け船をだすと
ふっと私の方へ
ちょっとの笑顔を含んだ顔を向けて・・・。
最後に話を打ち切るべく
私が
そのマフラー素敵です、
センスがいい・・。と
言ったら
彼女は
このマフラー
長すぎるんだよ・・と愚痴りながらも
また
彼女の自宅へと
歩きはじめた。
この主婦はいけませんね~。
70を越えても
自分に注意を惹きたくてたまらない。
つまり自分の事しか頭にないから
他人の気持ちに
ものすごく鈍感!
しかしいまだに
自分を中心にして
他人を仕切りたい”支配欲”
満々!
お婆さんの後姿を見送って
落ち葉を掃いて
家に入ったあと、
あのお婆さんが向けてくれた
ちょっとの笑顔を思いだし
今まで気づかなかったけど
もしかしたら、Nさんは
私のことが
好きなんだなあー!と
思いました。
だから、あんな
駄々をこねるような言葉を
わたしに投げ出した!
彼女はいつも会うと
後ろ向きの言葉を投げつける・・けど
でも
80を越えてのひとり暮らしは
いつも前向きに見える。
彼女が欲しいのは
世間話でもなく
表面的な助言でもなく
ただただ
しんどいのを
共感してほしかっただけなんだなあーと
思います。
たしかに
いきるのはしんどい!
でもね
Nおばあちゃん、
最後まで
がんばらなくちゃーね!
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