凄みを生きる! |
人間社会も
厄介だし
でもそこを逞しく生き抜いてゆくためには
賢くならねばと
思うのだが。
先日テレビで真田一家の
昌幸、信之、信繁を比較対象して
論じていたが
私はどうしても
昌幸は胡散臭い策略ジジイで
信繁も現在残っている肖像画からすると
ナルシストの軍略家に見えてしまう。
信繁は
九度山で野垂死にしたくなかったんだと思うが
それでも真田紐を考案したりしているのだから
今までの武士としての自分を諦め
それとはガラリと変身して生きる道を
模索しえなかったのかとも
思う。
まあ、それも歴史の
素人考えかもしませんが。
そういう昌幸 信繁に比べ
大河ドラマ「真田丸」でも
いつも我慢がまんの信之は
耐えて、偲んで
生きのびてゆく。
大阪の陣の豊臣方は
ほとんどが浪人の寄せ集めであり
それをみただけでも
時の勢いも時代も
いかに徳川の方へと傾いていかと
思う。
さればこそ
真田信繁は
そこを見極め
上手に立ち回れなかったのかね~!
宿敵であった徳川に
一矢報いて戦死するのは
表面だけを見れば
武士の面目もたち
華がある生き方にもみえるが
それは家族や家来を背負う
一家の主としては
いかがなものかと
私は思う。
何となくだけれど
あの肖像画から見えるのは
この男はええかっこしいで
ナルシズムの自己幻想から
醒めてないな~!
ということで
さぞかし女にも
もてたであろうよ、信繁は。
それにくらべ
信之は風貌もよろしくなく
むしろジジクサイ顔には
苦労がにじみでている。
結局信之は徳川に味方したものの
そのあと
上田から松代へと藩がえをさせられている。
せっかく荒れはてていた上田を
丹念に建て直し
民衆から信頼をえていたのに
それを一切あきらめて
また一から松代藩へと引っ越していきました。
信之は晩年に小野お通という才女との
交流もあったらしい。
しかし妻の小松姫が彼女を側室にしたらどうかという
提案を彼が断っている。
書や和歌に精通しているこの才女との
逢瀬やそこで話される話こそが
知的に満たされて
信之には
一番楽しかったかもしれませんね。
これも私の独断と偏見ですが
男にしても
女にしても
ナルシズムを捨てた人間は
とても魅力が溢れてきます。
女でいうと
男に対する幻想や依存が冷め切り
自力でいきようとする女です。
男でいうと
女にもてたい、なんていう
青臭いことを捨てて
そんなことなど
どうでもいいいという境地にある
男です。
こういう男も女も
そこが磨かれてソリッドになると
人間としての凄みがでてきます。
まあ実際には
そういう人間には
なかなかお目にかかれませんけれど。
俳優さんの中には
そういう殺気をもった男優、女優さんがいます。
ほんの数人ですけど。
先日別のテレビで東大の歴史の先生とかいう
男性が
ベラベラと大阪の陣のことを喋り
その最後に
もしかしたら
天国の秀吉がほめるのは
さっさと徳川についた
寧々さんではなく
最後まで大阪城に籠城して奮戦した
淀君のほうかもしれないと
いっていました。
でも
この先生もほんとに
オポチュニストで
女心を知らない
お馬鹿さんに見えました。
冗談じゃない。
女が男の都合でなんか
死ぬものか。
あゝなんたる唐変木。
淀君こそ
人生をこじりにこじらせた女です。
尋常ではない宿命を
かいくぐって生きのびた人です。
そうとう冷めていた人だと
おもいます。
まして
禿ねずみ(秀吉)のためになんかのために
生きてなんかないよ。
そんなことすら
わからないのかね~今どきのインテリは・・・苦笑!
そりゃ~男(秀吉)からすれば
自分の築いた豊臣を死守してくれて
ありがとう・・・かもしれないけれど
淀君がほんとうに守りたかったのは
秀頼だけで
その秀頼は
どう考えても
秀吉の子じゃないと思うよ・・・・苦笑!!
寧々さんだって
淀さんだって
女の冷めたのは
凄いんです。
つまらない見栄をはる男も
ナルシズムの幻想から醒めない男も
もう相手ではありません。
最後にテレビでは
信之が居室にしていた部屋の
板戸が紹介されました。
その二つの板戸には
籠の中に入った小鳥が
描かれていました。
これはまぎれもなく
信之自身の姿でしょう。
世の中という籠
徳川という籠
そして
真田家という籠のなかで
我慢に我慢を重ねながらも
籠の中の鳥である自分を
しっかりと受け入れ
覚悟して生きたのだと
思います。
ことわっておきますが
籠の中の鳥でありながら
自分が籠の中の鳥である自覚がない人間は
そこでもがき
そこから脱出しようとあがきますが
しかし
しかし
自分が籠の中の鳥であることを
しっかり自覚し
そこで生きることを
覚悟した人間は
強いんです。
信之は91歳まで請われて
徳川に仕えました。
92歳で死んだ時は
家臣からも
領民からも惜しまれ
その名君を讃えられました。
賢く生きる
そして
じょうずに生きる
更に
ナルシズムを捨てさった人間には
凄みが生まれる。
これは私の遺言にしたいと思います。
凄いね!
素敵です!