才能の開花と覚醒について、その6. |
その前に
前回書いたK先生について。
K先生は体当たりの情熱的な
カウンセリングでしたが、
そのことのご苦労も多々あったのか、
60歳そこそこで亡くなられました。
その後私は
K先生は、
カウンセリングルームのオーナーではあったが、
先生自身はカウンセラーの資格を
持っておられなかったと
知りました。
私はびっくりしました、と同時に
カウンセリングとは何だろうと
深く考えさせられました。
このことについては
後日書きます。
ただ今言葉少なく言わせてもらえば、
カウンセリングとは、
根本的には
人間と人間の出遭いであって、
その時
カウンセラーの人間的力量が問われる。
さらに
こころはそんなに簡単には
変容できない。
それは長い時間をかけて
その人間の中に起きてくる
覚醒だと
私は思っています。
では
二つ目の体験を
書きましょう。
この体験も30代後半か40代の始めの頃だと
思います。
あるとき私はクラシックの音楽を聴いていました。
それが何の曲だったかは
覚えていませんが、
誰かの交響曲だと
思います。
それを聴いているうちに、
私は自分の全身が溶けていくのを
感じました。
それは私の自我が溶けて
水のように流動化し、
やがて形が無くなっていき
ただ
海に浮かぶ泡のようになり、
表面に浮かんだ、消えたりし、
そしてその海は果てしなく
広がっている。
しかし
そこに
自分という固形のものはないが
しかし自分という意識はある。
そしてその時
なんとも、
えも云われない
安らぎと心地よさに包まれました。
その時私は
この安らぎと心地よさは
私の深い集中の中で
私のよけいな雑念や煩悩の自我が
溶けて解体されたからだと
思いました。
自分がない
しかし
自分がある。
そして深い深い安らぎの中に
ただただ
私がポカンポカンと浮かんでいる。
あゝこれが
私の命そのままの世界なんだろうな~と
思いました。
私の
一さいのよけいな人間的意匠(形、色、模様)と観念(思い込み)が
取り除かれて、
私の魂というか
気づきだけが
そこにポカンポカンと
浮いたり沈んだりしている。
そこには
なにひとつ濁としたものが
なく
全ての人間が海に浮かぶ泡で
それ以外は
なにものでもないと
その時私は
思いました。
しかし
なんというここちよさ、
なんという静けさ
そして静かに浸透していく
安心と喜びの波動。
私はその時
これが命の源流だと思いました。
そしてもともと命とは
形なく、水の上にあり、泡のように不連続に
連続していく。
命とはいっさいがひとしく同じで
いっさいが純粋で
だからこそ
命はその根底において
全ての命と交叉し響きあっていると
(不連続に連続している。)
と
思いました。
前回ご紹介した能勢広監督の映画
「生命の誕生」で
能勢さんが
『血液や心臓も形作られていない頃から
命は宿り、生命を継承するために生まれる。』
と、書いておられます。
その通りですね。
生まれる前の私(人間)も
生まれて自我が書かれる以前の
私は(人間)は
こんなにも静かに心地よくやすらかで
安心し
それは
純粋なる命が
継承されていく。
それは
なによりも美しいものであろうと
思いました。
人間は誕生とともに
様々なる人間界の意匠と観念(思い込み)を
身につけざるをえない。
しかし
どの人間も
はじまりは
かくも静かで美しいものであろうと
私は思います。
この体験を通して
才能とは
自分の自我を
●投げ散らかすものではなく、
それはいつも
人間の起源からはじまり
人間が生きることの懊悩を通して
その懊悩の奥にある命の何かに向かっている
●ベクトルであろう
と
私は思います。
それが形になって
文学も芸術も仕事も学問も
その他のすべて諸々のことが
表現へと収斂されて
やがて
ふたたび命=人々へと
贈られていく。
そういう働きを
才能というのではないかと
思います。
だからこそ
才能は
人間社会での濁りの海の中の
格闘を通して
あがき、もがきながらも
しかし
最後は
その人間の自我の奥にある
純粋で透明なものへと
眼差しが向けられていく時こそに
開花していくと
私は思います。
才能とは
その人間の
あがきやもがきを通してこそ
純粋なるもの
透明なるものが
きれいごとではない
●人間社会の立体的な層を内包しながら
言葉や形や色や模様や働きを通して
人間へと渡される
贈り物だと
思います。
その才能の契機は
誰にもあり
もし
才能を発揮、開花させたいのなら
それは
その人間の在り方の中に
問われていると
思います。
つ・づ・く!!


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