立花隆氏、養老孟司氏、そして良寛!その1 |
うち二つはもう読みえ終えた。
もう一冊は、これでかれこれ三度読みかえす、
中野孝次著「風の良寛」で、
これは、私のの生きざまの手本として読んでいる。
一冊は立花隆著「知的ヒントの見つけ方」で
いかにもリアリスト立花氏の、
現代と未来に対する視点が興味深い。
立花氏によれば日本は先端科学技術の第一国であり、
最終商品、つまり
最終的に完成したテレビとかスマートフォとにおいては、
以前のような輝きはないが、
素材と部品においては世界の四割が日本製であり、
そのシェアにおいてはゆるぎない経済力がある。
さらに日本の科学技術が産み出した、SAP(高吸水性樹脂)や、
炭素繊維、さらにリチウムイオン電池や超電導技術や、
iPS細胞をはじめとする創薬の世界、
そして世界に誇るスーパーコンピューター「京」や
超高速顕微鏡「さくら」などなど、
世界をリードする先端科学による製品産出で
経済の安定と成長があるとされています。
エネルギーについても、
日本はこれから開発されるであろう、
地熱発電では世界3位の資源をもっており、
さらに原発についても、
使用済みの核燃料の処理に10万年かかるというそれを、
30年程度で低レベル放射性物質に変える技術の研究が
始まっているそうです。
そしてもう一つ興味深いのが
ロボットスーツ「HAL(はる」で、
HALは脳から筋肉に送られる微弱な信号を皮膚から捉え、
装着者の意思を汲み取って運動をアシストするというのです。
脊椎損傷や脳血管疾患によって自力で歩行できなくても、
HALを着て思いのままに歩けるようになると、
期待されているとのことです。
素晴らしいね!
立花氏は今日本は悲観社会になっているが、
それも高度な科学技術で乗り越え克服できるとしています。
なるほど、日本はそんなにすごい先端科学技術をもっているのかと
改めて目からうろこでした。
しかし、それでも私がちょっと気になるのは
立花氏も書いておられますが、
これからは文明が更に進化し
世界はもう人工物世界になっており、
今や人間が分子レベルから作り上げ、
独自の機能をもたせた人工物質が、
衣、食、住を蔽い尽しており
さらにそれが進むあろうという、
未来です。
そして現実は、もうアッという間に
AI社会へ突入しています。
ただ、
こういう文明が高速で進む社会に対して、
いったい人間の脳と体は
どうなるのであろうか・・という危惧が
私には湧きます。
脳と体の乖離が進み、特に
体からの感覚入力が衰えてしまうのではないかという
危惧です。
人間の体験知や経験知が奪われてしまうのではないかという
危惧です。
そういうことについた書いておられのが
養老氏の「半分生きて、半分死んでいる」という著書です。
この本については次回かきしょう。