江戸の味! |
先日どうしても一緒に行きたい築地のお店があるからと
娘に誘われて、築地の和食屋さんに行きました。
混んでいるかな~と心配しましたが、
それほどでもなく、
すぐに席につくことができました。
このお店は煮魚が美味しいとのことで、
私はキンメの煮魚御膳、娘はお刺身御膳を注文しました。
そして出てきたのがこれです。


キンメはね、一口食べるとホロリと身が溶け
美味しゅうございました。
色々なお店で煮魚をたべましたが、
これほど甘さがちょうどよく、
醤油味とのバランスがいいのは初めてです。
切り身の魚は5分以上煮ると美味しくなくなりますので、
絶妙の煮具合だと思います。
刺身で食してもいいくらい鮮度がいいので、
さっと煮るだけでも美味しいのですが、
このキンメは身まで味が沁み込んでいましたから、
やはりプロの技があるのでしょう。
煮魚といえば、もう随分昔の話で、まだ母が生きている頃、
弟と三人で銀座の某料理屋に行き、
黒メバルの煮つけを頼みました。
その時、母がひとくち食べただけで、
これは砂糖をつかって調理している、と
顔をしかめて怒りました。
実は,母の祖母の家、私のひいお婆ちゃんの家は
神戸で割烹料理屋をやっていました。
明治の御一新で、侍から料理人になり、
江戸(東京)へでて天ぷら屋をやったのですが、
そこでは、いわゆる武士の商売として失敗し…笑!
神戸まで流れて、やっと料理屋として成功したらしいのです。
それでお婆ちゃんも母も味にうるさいのですよ。
母が、料理人は砂糖を使ってはいけないと言うのは、
砂糖を安易に使う料理人は、味を砂糖をごまかしている。
ということと、
江戸時代、砂糖は貴重品ですの、
そうは簡単に料理に使わなかったらしいのです。
つかっても隠し味程度のほんの少々だったらしいです。
だから私もなるべく塩を使って素材本来の甘味を惹きだします。
今回、さすが築地だと思いました。
まあ、いろいろな店があるかと思いますが、
まずは新鮮な魚が手に入り、
それをさっと調理する。
それが粋なのだと思います。
この日は、ほかにも評判のおにぎりを買って帰りました。


鮒佐も江戸時代から続く佃煮屋さんです。
ちょっと味が濃いですが、江戸の味です。


本当は豪雨による被害で、大変なのに
こんな記事を書いていいのか、迷いましたが、
被災地のことを思いながらも
書かせてもらいました。
