夕方、買い物から帰る車の中で ドボルザークの「新世界より」を聞きました。 |
聞きながら、
この曲には<希望>が満ちているな~と
思いました。
ドボルザークはどのような気持ちで
この曲を作ったのか。
私はつい60代の中頃までは彼の先生である
ブラームスが好きで、
なぜ好きかというと、ブラームスの
ガラス細工のように壊れそうな繊細さが好きで、
それに私の繊細さがハモっていたのですが、
70歳になるにつれ、
ドボルザークが好きになっていきました。
なぜかというと。
ドボルザークはなるほど、
ちょっとダサいところもありますよ。
でも、安定していますね~。
ブラームスがどちらかというと、繊細だから、
感情が深く沈むこともままあり、
迷いも見えます。
シンフォニー№1なんか、もう迷いの中を彷徨っています…笑!
でも、ドボルザークにはそれがない。
反対に彼には、故郷チェコへのちょっと泥臭い、しかし
その故郷への尊敬と郷愁があり、
そこに彼の揺るぎないアイデンティティーが
あるようにも見える。
だから彼の曲には、素朴さの中に、
なにか温かさがありますよ。
「新世界より」は、彼がアメリカへの出稼ぎ中に
書かれました。
そこで彼は何を考えたのでしょうか。
確かに言えることは
それは絶望ではなく、希望でしょう。
ブラームスとドボルザーク。
勿論今も私はブラームスも大好きです。
そして、
そのブラームスが弟子?弟分として
ドボルザークドを愛したように
私もドボルザークを愛します。
※反対にリストやワーグナーは
私にはいけません。
なんか尊大で誇大妄想な感じが
ずっと以前にも書いたエピソードですが、
ある陶芸家とドボルザークの事を話した時、
勿論ほめたのですよ、でも
つい、ドボルザークはブサイクということを
強調してしまいました…笑!
そしたら、その彼が、
ブサイクでなんだよ~と
ふてくさりました。
後できいたら、彼は飼っている犬に
ドボルザークという名前をつけ
可愛がっていたそうです・・・・大笑い!
まあ、その彼も犬も、ブサイクではありましたよ・・・!!
でも、ドボルザーク、
私にはとても素敵な人に思えます。
いわゆる鉄男さんでもあったドボルザーク!
感傷に陥らず、
彼の音楽の底には、自分をちゃんと維持している理知があります。
だから希望を感じるのです。
家族と故郷を愛したドボルザーク。
いい~男だったと、思います。