時がきて元気になるまで! |
能勢監督がお母さんの葬儀の写真を載せられており、
それを見てホッといたしました。
お兄さんと、能勢監督のご家族、そして
葬儀屋さんの5人で荼毘に付されたとのこと、
ご家族が篤い心を籠めて送られたと思います。
能勢さんとの出遭いはもう11年以上にもなりますかね~。
ギャラリストの会合で知りあったあるお爺さんの紹介で
能勢さんを知りました。
そのうち私が高円寺で開いた絵画展に来ていただき、
その時能勢さんが撮っている二人のお爺さんの映画のお話を
聞きました。
それがその4年後に完成した能勢さんと村上浩康さんの映画、
「流れ」です。
その映画「流れ」を見て、
私ははえらく心を揺すぶられたのです。
それは映画にでてくる吉江さんというお爺さんの生き方にです。
吉江さんは、誰も知らない中、ひとりで<河原野菊>という
絶滅品種の花を育てているお爺さんで、
そのひっそりとした生き方に、
心を持っていかれたのです。
そして、そのお爺さんと同じくらい純粋に映画を創っている
能勢さんと村上さんという青年二人に
目を覚まされたという感じでした。
当時の私は自分がこのまま
通俗性の中に埋もれてしまうことに悩んでおり、
ハッと眼が覚めたように思いました。
通俗性とは距離をとり、
自分本来の純粋性に戻ろうと思いました。
※通俗性に埋もれるとは
この世は仕方がないから俗にまみれて生きよう、
ということです。
以来能勢さんとは、
なんとなく友達で、何となく
生涯の友かなあ~と思い、
いつか一緒に映画を撮りたいな~と思っていました。
そしてそれが叶い、
私の最後の仕事として、
今一緒に映画を撮っているのです。
今回は、あまりにも突然で、
言葉がありません。
他者の悲しみは、誰もその深淵を知ることなどできません。
ただ、黙ってみているしかないと
私は思います。
私も父を亡くした時、
気力が落ちてしまい
ご冥福をお祈りいたします。