智恵子さん(夢見る乙女)と彌生ちゃん(シンデレラ)! |
庭師の堀越君からは、
この薔薇だけはやめといてください、と
なぜなら、この薔薇はいかにも少女趣味の薔薇で、
おばちゃんには大人気なんだけれど、
玄人筋にしたら、ど素人が好むものだかららしい。
でも買っちゃった!…笑。
一昨年植えて、昨年はまったく咲きませんでしたが、
今年は一月から元気よく四つも大きな蕾をつけて、
昨日から咲いているのです。
まあ、私もちょっと少女趣味のところがあるのですよ。
というより、
妖怪ババアの私の中にも、
少女が残っているのです・・・・(大笑)!
先日テレビ局の人が来たとき、
智恵子と同じように、統合失調症の芸術家として
草間彌生さんのことを話してくれました。
智恵子の紙絵は、
ドロドロとした自我が浄化されていて
とても美しいですが、
彌生ちゃんの絵は、天真な自我が満載で、
自己顕示の迫力があります。
テレビ局の人によると、
彌生ちゃんもかなり気難しく、
自分を天才だと豪語しているらしいのです・・・苦笑!
でもね、私からみると、
智恵子さんの紙絵中にも少女(乙女)がいて、
彌生ちゃんの絵の中にも
少女(乙女)がいます。
智恵子さんの方はいかにも日本的で、
竹下夢二の絵の中の少女みたいに
大正ロマンの夢見る少女といいますか、
ロマンチストの少女がいます。
反対に彌生ちゃんの中には
智恵子さんの少女はおっとりと内向的で、
自分だけで閉じているようにみえますが、
彌生ちゃんのシンデレラは明らかに攻撃的です。
体当たりで生きている少女です。
だって彌生ちゃんは
自分のアートのために、ニューヨークの町を
素っ裸で走ちゃったんでしょ…笑
どちらがいいということではなく、
どちらの少女(乙女)も素敵だな~と
私は思うのです。
智恵子さんの少女はまさに
自分の小さな憧れの世界をそのまま描いています。
特に智恵子さんの化粧品を描いた紙絵には
少女から乙女になった智恵子さんの、
初々しいときめきや
奥ゆかしく胸に秘めた女心を感じました。
そして弥生ちゃんの絵には、
まさにシンデレラや女王様のように
逞しく放出される外交的で支配欲満載の
女の自己顕示があります。
※彼女の描いた富士山なんかまさにそうだと思います。
もともとユング心理学でいう母性、いわゆるグレートマザーには
二つの面があります。
子どもを慈しみ守る母性と
子どもを呑みこんで支配する母性です。
まあその両極端が二人の中の
少女(乙女)として現れたのかな~とも
思います。
いずれにしても、
智恵子さんも彌生ちゃんも
脳の縛りが外れた時に
その母性の中にある美の世界を
みごとに放出し、表現しててくれたと
思います。
先日はジェンダーについて色々と書きましたが、
私達女の世界は
男なんぞが及びもしない、
キラキラ輝く<おんなの性>の母性があるのです。
それは、人間の上に君臨し、
男も女も支配するグレートマザーの威力です。
これが登場した暁には
男は誰も勝てないです…笑!
シャーマン卑弥呼のごとくね!
素晴らしいね!
智恵子さんと彌生ちゃんに
かんぱ~い!!!