これはある青年から来たメールです。 彼への答えを書きます。4、自我の覚醒=自分に起きることはすべて脳現象である。 |
自我の覚醒とは。
まず自我とは、頭の中をめぐるあれこれの、自分をめぐる意識とも言いましょうか。
そして覚醒とは、それまでの自分にはなかったことを、
気づいたり、あきらめたり(捨てたり)発見したりして、深い考察の中で
自分の在り方に気づくことです。
つまり自我の覚醒とは、
人間のこと、社会のこと、そして自分のこと、
自分の以外の人間のことなどについて
その実相と実態に気づき、考え、
自分の生き方や在り方についての眼が覚めるということですかなぁ~!
では、最後のご質問
僕のような高い自己幻想から等身大の自分へ気づく過程で
必要な自己葛藤のことを言うのでしょうか?
教えていただきたいです。
にお答えします。
その前に、自分が意識し、感じ、思うことはすべて、
その人の脳現象です。
またこの世で起きるすべてのことは、
その人の脳が、
●自分の外で起きるすべてのことを
●自分流に解釈したものを、意識として持っているということです。
そして
人間の文化はすべて、人間の脳が考え出したものです。
つまり、おぎゃ~と生まれたとき、脳内にある、
動物的本能現象とその人の遺伝子が作り出す現象以外、
人間の頭の中の観念は
脳現象が作り出したものです。
例えば、神も宗教も人間の脳が作り出したものです。
そして、自分が神秘に感じることも、
人間が自分では解釈できないことを
神秘という風に解釈しているだけです。
また他人の心も、その人間が自分流に解釈しているだけであり、
ほんとうにそうかどうかは不明です。
自分が恐れることも、不安に思うことも、
その人間の脳が作り出している脳現象です。
ほんとうに恐ろしいか、不安かも、ほんとうにそうかどうかは
不明なのです。
その人が恐れ、不安に思い込んでいると言いうだけの事が、多くあります。
だから、ススキが揺れている影をみて、
それをお化けと思う人もあり、
心霊現象という人もあり、
ただのススキだと思う人もあり、
面白い踊りだと思う人もあり、
つまり、それは個々の人の脳解釈であるのです。
つまり人間の意識の世界は、脳の思い込みでできており、
それぞれの思い込みが錯綜しながら、この世のあれこれを創り出します。
だからこそ、世の中は混乱するのです。
●自分が感じること、思うことすべては
自分の脳が作り出している、脳内現象である。
このことを頭に叩き込んでいてくださいね。
そして
人間誰もが、自分マックスで生きてしまいます。
なぜなら、自分の脳の中にあるものが、
そのひと自身のすべてだからです。
自分の脳の中にあるものを駆使して外界を探り、自分流に解釈して、
そして判断するからです。
反対に
自分の脳の中にないものについては、何もわかりません。
そして人間の寿命はせいぜい7、80年ですが、
7,80年で仕入れられることなど、たかが知れています。
しかし困ったことには、
まるでそれがすべてに万能であるかのような
錯覚をします。
つまり、
自分が思っていること、意識していることが、そのまま
他人が思っていること、意識していることと、同じであるかのような
錯覚をします。
その最たるものが、いわゆる常識とか正義とか、倫理とか、
国家意識とか、市民意識とかいうものです。
いわゆる共同幻想と言われているものです。
常識も正義も倫理も国家意識も市民意識も、すべて
●人間の脳が作り出してたものです。
それをいつの間にかその集団が共有しだしたものです。
こうして考えてみるといかに、
自分の脳の中身が、自分の意識を創り出し、
それに基づいて生きているにすぎないのが自分であるかが
わかります。
そのうえで、覚醒するとは、
特に高度な覚醒にいたるとは、
この世も人間も、そういう脳現象に過ぎない、ということが
分かる、ということです。
つまりそれが分かると、
いかに自分が自分の人生を創りださなければならないか、に気づくのです。
いかに、自分の脳の中が貧しく、限界を持っているかが、わかるのです。
だからこそ、
自分の意識を良きことへと向けて、いかなければ、良き人生もないこと。
さらに
自分の脳の貧しさを自覚し、他者の持つ世界のや
人類が積みかさねてきた、学問、歴史、その他もろもろの知識で
自分を補わなければ、
豊かになれないことが、
分かってくるのです。
また脳現象の基礎となるのが、その人間の経験値や体験知です。
経験知や体験知は、
他者や現実と、取っ組み合いをする中でこそ、
積みかさねていけるのです。
もう、お分かりですかね。
貴方の質問の高い自己幻想というものが、
いかに独りよがりの陳腐なものであるか。
そういう自我のプライドがいかにその人の学びを邪魔するか。
自分の等身大は、
ほんの限られた知識、経験しかもたない、貧相なものである、という
気づき(覚醒)こそが、
ひるがえって、
謙虚に他者や世の中から学び、知識を得る努力をし、
その人の人生を豊かにし、そして輝かせるのですよ!!
