私たちはうかつでした。 |
清潔で便利で快適な生活と、
たくさんの物質に囲まれれ、
実は、その生活が、自然の摂理を壊し、
大地やいきもの達を犠牲にしていたことに気づきませんでした。
大地に化学肥料や農薬を撒けば、大地の生命力や自然性が壊れていくことも、
土壌の中で働く様々な微生物や虫や生き物たちが消えてゆくことも
平気で見過ごしてしまいました。
稲をはじめ作物たちの免疫が衰えてゆくことも
木々や花たちの生態に異常が起きていることも。
もう、山に住めなくなった動物たちが、
餌を求めて街にまで下りてきても、
山の自然が壊れはじめていることにすら、
まだ心がいきません。
海の黒潮の流れが、大きく蛇行し、
魚たちが、消えてゆことや
気象が悲鳴をあげて異常気象なっていても、
まだ、
自分たちのことしか考えられない人間は、
どうなってゆくのかな~。
もう、そろそろ自然や大地の限界がきます。
もう、きているのかな~・・・。
人間は多くを求めすぎました。
しかし
いまなら、まだ引き返せます。
行きすぎた文明の針を、少し元に戻し、
自然の手当てをし、
過剰な消費生活を少し考えなおしてみませんか。
どんどん神経症的になってゆく社会、
他者を監視し、ヒステリー気味になっている世の中を
もっとおおらかで、ゆっくり生きる社会にしませんか。
多様性を大事にし、
包容力のある、そんな社会に戻しませんか。
そして、
このまま地方都市が衰退し、
その美しい田園が消えてゆくことは
大きな損失です。
常に変化を求め、世界経済の渦の中で翻弄される都市の
対極には、
日本の歴史の中で積み上げてられてきた
伝統文化を継承している地方都市があります。
そこには美しい日本の田園の風景があります。
そしてその美しい風景も、
●人と自然との合作です。
ここに日本人のアイデンティティーがあり、
このふるさとが大事なの。
都市と田舎のバランスが崩れ、
地方都市が消えていく時、
私たちは、とてもとても大事なものを失うかもしれない。
72歳の私はもうすぐ去らねばならない。
私の最後の仕事。
私の最後の贈り物として
この映画を贈ります。