脳を使いこなすその6、自分の中で一度●言葉を熟させてから、言葉を吐く(伝える)。 |
その時芸人さんたちの声の出し方や、間合いがとても参考になります。
つまり、芸人さんたちはいつもお客さんという●客観性をもつ人を相手に
自分を表現していますから。
●声は一つの物理現象として、相手の体の中に入らなければ、効果がありません。
相手の体のなかに入らない声で話したら、
その言葉も話しも、ちっとも相手には響きません。
もう一つ●言葉を発する間合いも、相手の脳が言葉を受け取るインターバルとして、
ちゃんと計算にいれないと、言葉が死んでしまいます。
まあ芸人さんたちでいうと、滑る、ということですね。
●人間関係とは、こういう物理的な条件が、瞬間的に作動しながら、
関係を作り出していくことでもあります。
声という波動が、どのように相手の体へと入っていくか。
間合いという時間が、言葉を受け取る準備の時間として
脳の中で、どのように機能するか。
まあ、名人級のひとになると、相手の顔を見ながら、相手の中で
自分のことばがどのように咀嚼されていくのかを、観察しながら、話します。
頭の使いかたとして、こういうこともとても重要ですよ。
しかし、残念なことに
多くの人は言葉を撒き散らかしています。
少ないエネルギーで、いかに効率よく、コミュニケーションするには、。
自分の中で一度●言葉を熟させてから、言葉を吐く(伝える)
これが、思考の訓練になります。
なんでもそうですが、
自分の体内にあるもの=考え、言葉、そして行為、行動の衝動は、
しっかり発酵、熟させてから、外に放出する、ということですね。
そして思惟力、思考力を高めるには、
自分の脳の中の文化を高めなければなりません。
自分の脳の中の文化とは
これはC・Wニコルさんの言葉を借りると、
「身体と感覚が体験した総体」である自分ですね。
(「身体」を忘れた日本人 養老孟司×C・Wニコル(山と渓谷社)
つまり自分が感覚入力(記憶も含めて)したこと、そして体験(思考も入れる)のすべてが
その人間の文化を創り出す、或いは創り出している。
つまり<私>とは、<私の文化>を持って存在している人間なのです。
これは、ものすごく重要なことなのですよ。
なぜ重要であるかは、次回書きます。