2019年 12月 20日
イ・チャンドン映画「シークレット・サンシャイ」より、人間の業の世界をいかに乗り越えて生きるか。 |
お隣韓国の映画監督、イ・チャンドンの作品
「シークレット・サンシャイン」のラストのシーンは、
主人公が髪を切るために出た庭、そこへ置かれた鏡に、
キラキラと日差しが射す光景でした。
あまりにも凡庸で、どこにでもあるようなその光景こそ
実は、私たちが見なれがら気づかずに恩恵を受けている、
日々の光景です。
私たちにとって一番大切なものはなにか、とイ・チャンドンは問います。
それは私たち人間は、いつも他者と共に生きていること。
そしてもう一つは、日々注いでくる太陽の光や
風が吹き雨が降り、そして温かい日差しがさし、
木々や花がさざめき、季節が移ろう、その自然のありふれた光景です。
そういう自然に囲まれ、癒され、時には脅威となりながらも、
守られて人間の<生>が成立しているのです。
恐ろしい自動車事故で夫を失った主人公の女性は、
さらに恐ろしい人間の犯罪で我が子をも奪われてしまいます。
それは人間の為す世界でのことでもあり、
彼女の絶望の深さを、だれも知ることができません。
それでも、動機はどうあれ、親切なおせっかいであれ、
周囲の人々は彼女になんとか寄り添おうとします。
痛んでいる同朋に対して、人間は優しいのです、
人間の中には<共生のプログラム>があり
命と命は、その純粋性において、本能的に助け合おうとします。
しかし、
誰も彼女を癒すことも、救うこともできません。
それは神すらできない。
それでも、
それでも私たち人間の傍にはいつも、
さらに、何があっても
自然は、無条件の愛を注いでくれます。
人間の心が殺伐としていくのはなぜか。
それはすべて、人間が作り出している世界でのできごとで、
人間に傷つけられているのです。
私には、イ・チャンドンの世界がドストエフスキーの世界と重なる。
いうなれば、祈りのようなドストエフスキーの世界です。
どうしようもなく愚かで、解決不可能は人間の業の世界。
それでも、業を抱きながら私たちは生きるのですね。
それを乗り越えて私たちが何に気づけばいいのか、
なにが大切なのか。
いつもいつも問われていると、
私は思います。
残りの人生、人生最後には、その結論をだしたいと、
思っています。
「シークレット・サンシャイン」のラストのシーンは、
主人公が髪を切るために出た庭、そこへ置かれた鏡に、
キラキラと日差しが射す光景でした。
あまりにも凡庸で、どこにでもあるようなその光景こそ
実は、私たちが見なれがら気づかずに恩恵を受けている、
日々の光景です。
私たちにとって一番大切なものはなにか、とイ・チャンドンは問います。
それは私たち人間は、いつも他者と共に生きていること。
そしてもう一つは、日々注いでくる太陽の光や
風が吹き雨が降り、そして温かい日差しがさし、
木々や花がさざめき、季節が移ろう、その自然のありふれた光景です。
それらは目を凝らせば、自然ことは大いなる芸術世界であり、
そうにも関わらず、全く無償の愛が私たちの生の上へと注がれています。
そういう自然に囲まれ、癒され、時には脅威となりながらも、
守られて人間の<生>が成立しているのです。
恐ろしい自動車事故で夫を失った主人公の女性は、
さらに恐ろしい人間の犯罪で我が子をも奪われてしまいます。
それは人間の為す世界でのことでもあり、
彼女の絶望の深さを、だれも知ることができません。
それでも、動機はどうあれ、親切なおせっかいであれ、
周囲の人々は彼女になんとか寄り添おうとします。
痛んでいる同朋に対して、人間は優しいのです、
人間の中には<共生のプログラム>があり
命と命は、その純粋性において、本能的に助け合おうとします。
しかし、
誰も彼女を癒すことも、救うこともできません。
それは神すらできない。
それでも、
それでも私たち人間の傍にはいつも、
時間というおおいなる魔法があり、いずれ時間の中で
彼女の傷もいえていくでしょう。
さらに、何があっても
自然は、無条件の愛を注いでくれます。
人間の心が殺伐としていくのはなぜか。
それはすべて、人間が作り出している世界でのできごとで、
人間に傷つけられているのです。
私には、イ・チャンドンの世界がドストエフスキーの世界と重なる。
いうなれば、祈りのようなドストエフスキーの世界です。
どうしようもなく愚かで、解決不可能は人間の業の世界。
それでも、業を抱きながら私たちは生きるのですね。
それを乗り越えて私たちが何に気づけばいいのか、
なにが大切なのか。
いつもいつも問われていると、
私は思います。
残りの人生、人生最後には、その結論をだしたいと、
思っています。
映画「どこかに美しい村はないか」
~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~
完成は来年2月、それから色々準備し、5月から全国での上映キャラバン開始です。
●東京上映は、来年5月16日,17日 人形町三日月座で!!
●遠野上映は、来年6月7日(日)市民センターホールで、予定しています。
●横浜上映は、来年5月23、24日 シネマノヴェチェントで!
映画に関するコラムを書いています。ご覧いただけると嬉しいです。
予告編です。
音楽については、イメージのズレから
暗唱に乗り上げました。でもなんとか乗り越えます。
そして、さらにいい作品へとなるよう頑張ります。
by denshinbashira
| 2019-12-20 07:07
| 人間
|
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