「ハライチ」岩井君の本を読みました。 |
面白かったです。
特に相方澤部君の悪口を書いている所は、
筆が冴えて冴えて絶品の口撃です。
まあ、悪口というか岩井君流の澤部賛美でもあるのですが、
そこまで澤部君をこき下ろさなくても、と思いながらも、
素晴らしい分析力だな~と感心しました。
ただそれを読みながらもM1で、
岩井が投げるとりとめのないお題を、いわばどうでもいいようなお題を
身体全身をくねらせながら、何とか言葉合わせをしようとする澤部の
その熱意溢れる姿を思い出しましたよ。
岩井君に言わせると澤部君は無だそうである。
これはまことに言い得て妙であり、
私から見ると、
澤部は空っぽのドラム缶のようなもので、
その空っぽのドラム缶に岩井君が、無造作の思い付きを投げ込むと、
澤部君が体をくねらせながらもドラム缶が作動し、
悶えながら回転しては、有を生み出してつじつまを合わせていく。
そこに澤部君の凄さや才能があり、また
その澤部の傍で、竹のように突っ立ちながら、ポイとお題を投げる岩井君とは
つまり、なんて冷淡な奴か、コイツはなんの芸もしていないじゃないか、と
私は思っていたのですが、
それが吹っ飛んだのが『ゴッドタン』の「マジ歌選手権」で、
もうエッジの効いた切れ味の毒舌に、笑い焦げました。
さらに『ゴッドタン』での「第3回腐り芸人セラピー」でも
フルポンの村上をボコンボコンに完膚なきまでにやっつける、
表紙を見れば、タイトに黒のシャツに黒のズボンで決めて、
スキがなく、ポーズをとっているのですが、
よくよく見れば靴下が、なんと紫の大きなドット柄で、
そこに岩井君の狂気の間から零れ落ちるスキをみます。
狂気といってもそれは私からの誉め言葉で、
岩井君のとがった異端性や、強烈な自我意識を見るのです。
まだまだ怖いもの知らずの彼の短刀が、錆びることなく
今度は長い槍になって、先輩、後輩を突きまくり
お笑い界を掻きまわしてくれることを期待しています。
まあ、私としては、久しぶりにウキウキするような非凡な個性を見つけ、
ちょっと期待しています。
予告編です。
この映画はAIデジタル社会で失いそうな、