女優の杏さんと東出昌大さんのことが報道されて びっくりした。 |
というのはその報道の前日に「オケ老人」という映画を見たばっかりだったからです。
杏さんはとてもいい感じでその主役でしたから、なんだか気の毒でね~。
はっきりいいます。
愛情というものは努力なしでは手に入りません。
幸福も同じです。
愛情とは、
性的本能の異性愛や、感情や気分でなんとなく湧いてくる類のものでもありません。
自分の感情に溺れるものは、愛情といいません。
それは発情といいます。
人を愛することは、絶え間ない努力や、
自分のエゴを乗り越える意志と努力が必要です。
相手とちゃんと向き合い、一緒に生きようとする意志と思想を持つ中で
沸いてくるエネルギーです。
人間は誰もがすれ違います。
夫婦であっても、親子でも、友人でも、必ず
スレ違います。
しかし一緒に生きてゆくには、そのすれ違いをどう乗り越えるか、という
意志と考察が必要なのです。
人間も動物ですから、本能的な欲求や衝動に駆られてしまいます。
でもそれに乗っ取られるのは、人間ではなく、動物です。
そこをどう克服するかが人間なのです。
夫婦も親子も友人も、長い年月をかける中でやっと、
相手のことが理解できてくるのですね。
何十年も付き合う中でね。
相手が理解できていくのも、ささやかな絆が生まれるのも、
そこに到達するためには、傷つき悩んだり、もがいたり、争ったりする日々を
超えていかないと、手に入らないのですね。
やっとこさ超えながら、さらに、
到底受け入れられない自分を乗り越えなければならないことも
ありますよ。
そのストレスがどんなに辛いかも、分かります。
昨今の社会は、ほんとうに薄っぺらな愛情が、さも愛であるかのように
大手をふって闊歩しています。
そんなものは、愛でも愛情でもなんでもないです。
結婚して、子供を得ているのにもかかわらず、不倫などしてはいけない。
愛人をつくることも、愛人になっても、いけません。
なぜなら、そこにはエゴしかないからです。
ひとりの人間として、きちんと相手と向き合うこともなく、
人間として対等でもなく、平等でもなく、責任を持たない、甘えです。
恥ずかしい己の姿です。
愛情も幸福も、自分以外の人間と一緒に生きざるを得ない人間が、
日々の葛藤の中をもがき、自分を乗り越える努力の中でこそ、
手に入れるのです。
それは時に自分を突き放し、自我を手放さなければならにことも
起きてきます。
相手に対して厳しい裁断をしなければならないことも、ありますよ。
でもね、そんな中で少しずつ、尊いことや、大切なことは何かに気づきます。
打算や計算や、発情ではない、自分の愛情です。
その深い愛情こそ、いぶし銀のような自分の成長の結果であり、
成熟していく人生なのですね。
杏さんも、今苦しい人も、人生はあなたの味方です。
頑張ろうね!

●東京上映は、5月16日,17日 人形町三日月座で!!