映画「どこかに美しい村はないか」私の映画論、その4ついに奇跡が起こった、音楽こそは心! |
どんな音楽をつけるか?
実は音楽こそは、心、いわゆる温度とエネルギーなのですね。
この映画でいえば音楽こそは、児玉さんの愛の心なのです。
しかし映画は最終の編集を終えたところで
暗礁に乗りあげました。
なぜなら、音楽を依頼した作曲家の先生が
降りられたからです。
まあその原因は私にあるとも言えるのですが。
凡庸な作家は映画に小細工をしようとします。
特に音楽のもつ情緒的な力で
映像をカバーしようとしたり、
演出しようとしたりします。
しかし、音楽こそは、自立性を持った芸術であり、
それをいわば背景につかってしまうという過ちを犯すと
映画はどんどん臭くなり、俗化します。
さて,映像の最終編集が終わり、次は音楽を張り付けるのですが、
依頼していた音楽を聴いて私は落胆しました。
私はそれを聞いて思わず、
「違う」
「映画とは違う」という言葉が
口から飛び出してしまいました。
そのあとのことは詳しく書きません。
児玉さんのガラス絵も、遠野の風景も、登場人物たちも
みんな、
みんな、ひとかけらも邪気がなく、そして
遠野の空気のように澄んでいるのです。
映像には、それが溢れていたはずなのですが・・・。
憂鬱な音楽を聴きながら、私の脳裏には
朗らかに冗談を言いながら田植えをするばっちゃ達の姿が浮かんでいました。
あのばっちゃ達を失望させるわけにはいかない。
とりあえず、この音楽はない。しかし
他に音楽のあてはなく、さらに
プロジェクトの日程はタイトにせまっている。
もう時間がない!
どうしたらいいのだろうか・・・・。
他の作曲家の作品を次から次へと聞きましたが
どれもぴったりとはこない。
困り果てた私に、娘がある曲を聴かせてくれました。
それは東京町田市の路上でピアノを弾いているミュージシャンの音楽で、
それを聴いた瞬間に
一発で、これだと、思いました。
これだ、
これをエンドクレジットに使いたい!・・・と。
実はね、実はそこから奇跡が起きたのですよ。
娘から教えてもらった路上ミュージシャンの音楽を
ユーチューブでかたっぱしから聞きました。
そして確信しました。これしかない、と。
そしてすぐにその人Rakiraさんに会いにいきました。
Rakiraさんが出演しているレストランでのクリスマスのディナーコンサートに
行きました。
そこでこれまでの経緯を手短にお話し、
Rakiraさんのおはなしも聞いたうえで、
映画の音楽を、とりあえず、2,3曲つくってもらえないだろうか・・・と
依頼しました。
実はね、不思議なことに私はRakiraさんのユーチューブを見ている時すでに
奇跡が起きるという確信をうっすらと予感していました。
富永Rakiraさん。
Rakiraさんこそまごうことなき天才ですよ。
もう次から次へと音楽が彼の脳髄をついて浮かんでくるらしい!!
まるでモーツアルトのように。
ただ、Rakiraさんは楽譜が読めません。
さらに彼の音楽はその時の彼のフィーリングで演奏されており、
それ再び再現することは、できないのです。
だから、彼の音楽を映画に登用するとなれば、道は
二つしかありません。
Rakiraさんの音楽は電子ピアノであり、普通のピアノでの演奏にするには
彼の演奏を録音し、それを楽譜に起こしてもらうことを別のだれかに発注し、
さらに、Rakiraさんは普通のピアノを弾けませんから、
その演奏を他のピアニストに依頼して、
録音をする、という方法です。
もう一つは、
電子ピアノをそのまま登用し、
Rakiraさんに演奏をしてもらい、それを一発勝負で録音したものを
映画に貼る、という方法です。
前者の場合は今後、えらく手間と時間がかかります。
後者の場合は、かなりの賭と度胸が必要です。
それに
Rakiraさんはアーティストですから、
そのインスピレーションに私が深く介入する、ということは
結果的にかれのテイストを壊しかねません。
だから丸ごと彼に依頼するしかないのです。
※ 映画のシーンに合わせて微細にこちらが指示を出すということが
不可能なのです。
しかしもう時間がない。
だから大晦日の日にRakiraさんのスタジオに行き、
かれのプロデューサーさんも加わって、
映画15のシーンに合わせて大まかに曲を選びました。
そしてお正月の2日には、能勢監督と一緒にRakiraさんのスタジオに行き
その音楽を聴いてもらいました。
OKです。監督からOKが出ると伴に、注文もね・・・・。
それからは怒涛の如くことが進み、
とうとう奇跡が起きたのです。
凄いね、
奇跡は、起きるものなのですね!!
ビバ、Rakiraさん!!
● ● ●
若者よ、忘れないでほしいのは、
君たちの中のアナログな世界のこと
スマホのスイッチを切って、
この映画のやさしい世界へ来てみない
ガラス絵作家の児玉房子が描いた遠野の田園を
詩人の茨木のり子が謳う。
ばっちゃ達は腰をかがめて田植えをする
風のさざめきは森を抜けて
田畑で働く人々の汗をいやし
空一面の星が、人々の眠りを包む
第2回上映:受付開始:14:30~ 上映:15:00 ※プレスの方、ブロガーの方、Twitter・Facebookをお持ちの方が入場できます。
第3回上映:受付開始:16:00~上映:16:30~ ※プレスの方、ブロガーの方、Twitter・Facebookをお持ちの方が入場できます。


このジュース、めっちゃ美味しいです。
ご参加をお待ちしています!
5月16日(土) 5月17日(日)
人形町三日月座 地下ホール
https://www.facebook.com/mikazukiza78/
・横浜上映
5月23日(土)24日(日)
シネマノヴェチェント
http://cinema1900.wixsite.com/home
遠野市民センター大ホールです。
お会いできるのを、楽しみにしています
上映のタイムスケジュールは
追って詳しくお知らせいたします。
どうぞよろしくお願い致します。
