大晦日に、言葉は贈りものね。 |
言葉は他者への贈りものなのです。
だからこそ、丁寧に扱わなければならない。
むきだしの感情のことばや、
なにも考察が成されていない言葉を
他者に投げつけてはいけないのです。
言葉を撒き散らかすのは、
自分の中が散らかっているからです。
すさんだ言葉がでてくるのは、
自分の中がすさんでいるからで、
そんな時は、
言葉をいちど掌に載せて、
よ~く眺めて、吟味して、
掌で温めなおして
それから、そっと差し出してごらんなさい。
言い訳なんかに言葉を使っちゃ~ダメですよ。
そういう風に自分の都合で粗末に言葉をつかっちゃ~いけない。
ことばの中には命があるからね、
言い訳をするたびに自分が腐るんですよ。
言葉こそは、自分そのもの。
言葉の中の自分の姿が美しいかどうか、見てごらんなさい。
美しいというのは、よそ行きで気取った言葉ではないのです。
率直で、正直で、素朴な自分そのままが、美しいという事です。
ひとつ断っておきますが、
言葉は、汚いことばも、それが効果的で、相手に響くこともありますよ。
それは使いようなのですね。
私はいつも言います。
クレヨンは白から黒まで、全色、使いこなしなさいと。
言葉も同じね。
汚い言葉も、綺麗な言葉も、全部、使いこなせるといいね。
ただ、つかい方をいつも考えることです。
言葉は生き物です。
まあ、生きている道具とでもいいましょうか。
一つのことばですべてを言い尽くしたり、
一発で相手を倒せることもできます。
その一言で、目からウロコがおちることも
あるでしょ。
だから、沈黙の中、言葉が熟してくるまで、待つといいのですよ。
その熟した言葉を使うといいね。
言葉は贈り物、だから、
いつも瑞々しい自分と、その言葉を
贈りたいと
私は思う。
