ターシャ・チューダーの世界その2,けっこう辛辣なターシャさん! |
そこには、少女趣味的ロマンチストではない、
凛とした強い信念を持ち、
自分の世界を守ろうとするターシャさんが見える。
バーナード・ショーの言葉を引用し
「要するに、成功する人は、自分で環境を作ってしまう、ということね」と
インタビューに答えている。
インタビューへの答えは時にえぐいほど、辛辣であり、
また、意識的に軽薄な人間を遠ざける意志も見られます。
例えば、気に入っている花は、
自分がえりすぐった人だけにしかあげない、というようにです。
日本で出版されている本は、いかにもとっつきやすい言葉を
断片的に載せて大衆化していますが、
ご本人はかなり手厳しく、もしかしたら厭世的なひとであったかと
思います。
動物好きでもありますが、それも筋金入りの動物好きで、
自分になついた蛇を夜ベットで、自分の手のひらでとぐろを巻せる、というような
事も言っています。
多分、あら、きれい、何て言いながら、ズカズカはいってくる人間を
嫌ったのではないでしょうか。
私の母も、礼儀、礼節をわきまえない人間に対しては
即シャッターを下ろすひとでした。
ため口をきくような人は大嫌いで、
だから私のようにお笑い好きで、お笑い芸人を理解するようなことばなく。
即「下品」と切り捨てたと思います…笑い!
とにかく気位が高く、まあ、武士の娘ですからしかたないか~!
それに比べて父は、とても気さくでしたから、
誰にでも話しかけ、父が亡くなったときは、ご近所の方々が
大勢通夜に来て、父に話しかけてくれました。
私も若い頃は、母のように自意識が高く、誇り高かったのですが、
世の中で揉まれる中、
自分の最後の砦は守りますが、ほとんどのことは、スルーでいいと
思うようになりました。
大学の頃、森安建雄映画監督らの阿呆友との交友で、
私のそれも切り崩されていきましたし、
母のように気位が高いと、自分がどんどん息苦しくなりと考え、
どうしたら軽薄を理解できるかと、
吉行淳之介の「軽薄のすすめ」を読んだりしましたよ・・・可笑しいね!
最後の砦とは、ここからは、私の大切な世界だから、
入らないでね・・・というガードです。
それは、私が人生で積み上げてきた、
私独特の●美意識や●感性や●価値観の世界です。
ターシャさんも、おそらく、そこを守りたかったのだと
思います。
ニューイングランドの人里離れた地で、
一人暮らしを続ける中、そこはターシャさんにとって
自分の聖地であったと思います。
日本のファンと称する人々がそれを理解していたかどうか、ですね。
