イザーク・パールマンの夕べ。 |
前回、ベルリンフィルの出稼ぎ演奏で頭にきていたので、
まさかと思うけど・・・って思いながらいきました。
結論から言うと、
パールマンさん疑ってごめんなさい。
すばらしい演奏でした!
舞台のピアノの前に椅子と譜面台が置いてあったので、
えっ・・と思いました。まさか座って演奏するの?
しかし、開演と同時に、
白髪のじいちゃんが、両手に杖をつきながら、
麻痺した両足でゆっくりゆっくり、1歩ずつ中央に向かって出てきました。
ああもうこの時点で感動!
ピアニストがヴァイオリンを持ってついて来ました。
椅子に座り、最初のモーツアルト、
よどみなく、句読点のない流れ、天才モーツアルトの
軽やかで華麗なる、
まるで蝶々舞うような調べ、
凄い。いっぺんに引き込まれました。
次はフォーレ。
始まったとたん、モーツアルトの天使の調べから
ガラット
悲しみをお帯びたフォーレの音色になりました。
まるで夢の中をさまよっているような、フォーレ。
現実と幻想の坩堝の中に引き込まれ、
自分の内面深くに漣が奔っていきます。
夢か幻か、でも憂鬱な。
すばらしい演奏でした。
休憩を挟んで
田舎のオッちゃん・ドボルザーク。
私はやっぱりドボルザークが好きだなー。
カントリーであったかいよ、このオッちゃんは。
音色は見事にカントリー。
なんだかアメリカ的だななーと感じていたら、
やっぱり
ドボルザークがアメリカに滞在していたときの
小品(ソナチネ)でした。
最後はクライスラー
大変円熟した見事な演奏でした。
若いときのギラギララ消え、
華麗なるクライスラーが
時々きしむような音の中で、
大いなる人生の物語を語るようでした。
楽しき日々
ロマンチックな陶酔
そして黒く影のさした悲しみを!
両足が麻痺しているということは、
足で踏ん張れないということです。
そのことがヴァイオリンを弾くことを
どれだけ難しくさせているかは
ヴァイオリンを弾くものにしかわかりません。
なのにこの凄い技巧と豊饒に歌うメロディー
私は
自分の感情が見事にかさなり合い
心がとらわれっぱなしの2時間でした。
娘がポツンと
[コレが一流ということだネ」と。
彼女は一人、立って拍手をしました。
スタンディングオベーション。
立っているのは彼女だけ・・・。
久しぶりにホンモノとであった夜。。
ブラボー !ぶらぼーパールマン
おん年61歳の快挙でした。

