老いへのプロローグ。 |
他人に気取られたくないところを、
あえて言葉にしたり、
行動に出したりすることを、
光の中に出すと書いた。
昨年の11月ごろから荒れ狂った、
私の中のネガティヴな感情(インナーチャイルド)は、
ドンドン光の中で変えられて、
今は本当に穏やかになった。
先日髪を染めるときに、迷ったことがある。
それは、『老いる』ということである。
久しぶりに友達と会った。
その友達は童顔の愛くるしい美人で、
若いときはとても綺麗だったと思う。しかし、
久しぶりに会ったとき、なんだか変という違和感があった。
それはかのじょの、人柄のことではなく、
彼女の容姿がどことなく落ち着かない。
別れた後でなんとなくわかったのは、
彼女が自分の年より若作りをしていて、
そこに無理が生じていたのだと。
いつまでも美しくありたいと、
女性なら誰でもソウ思うであろう。
それは自然のことである。しかし、
人間は常に老いている。
私は考えた。
自分の力ではどうしようもないこの『老いる』ということを、
どういう風に受け入れて生きたらいいのだろう。
世の中一般的な世辞は、ほとんどが若さに媚びている。
お若く見えるとか、
そんな歳には見えないとか、
逆に歳よりお年寄りに見えますとか、
歳をとって見えて素敵ですなんて、
言われた事も聞いたこともない。
でも私は歳をとった素敵な女性をいっぱい知っている。
映画『東京物語』に出ていた、
東山千栄子、杉村春子、
小粋で美しい細川ちか子、
おじいちゃんの笠智衆、大阪の浪波ちえこなどなど。
彼らを見ていると
自分の老い受け入れて、
その老いてゆく顔の奥にある
自分が積み上げてきた喜びや悲しみやそして苦しみまで
全てが淡々と体の中に溶け込んで、
自然に浄化されているように見える。
こうなりたいなー!
私も。
まだ見ていないが大切にとってあるビデオがある。
それは『八月の鯨』という映画である。
主演女優、リリアン・ギッシュ・・・90歳
ベティ・デビウス・・・79歳。
どちらも無声映画時代から生き延びてきた名優です。
二人の老女が織り成す、夏のひと時、
静かな終わりへの人間賛歌が流れる映画です。
ひそやかに、やさしい最後の一瞬!
全ての時が止まるその一瞬へ向けて、
私の『老い』へのプロローグとして
それは、
大切に大切に、
しまってあります。