もっとも俗悪なるところからはじまり! |
おおくたびれました。
でもお約束ですから、
なぜビートルズ、その前のエルビスなどの音楽が
世界中で受け入れられていったかという事について
お話しましょう。
それは大航海時代世界を又に航海をした
奴隷船や貿易船によって
アフリカ音楽の種が、寄港する港々を通じて
世界中に蒔かれたというわけです!
下級の船員、水夫やコックや下働きの船乗り達が
港々で下船したとき、
立ち寄った酒場や売春宿やばくち場などで、
自分のふるさとの音楽の種を残して行ったのです。
それがすこしずつ地元の音楽と混血して、
その国の俗歌となったいきます。
クラシックの場合は、キりスト教教会の威厳を保って、
上から(権威)から庶民へと種が蒔かれていきましたが、
ジャズやロックは本当に下の下の底辺から
うめくように音楽が生まれていきました。
クラシック音楽が天国からの啓示のようなら、
ジャズやロック、
その全身のブルースや黒人霊歌は
絶望の中から光を見ようとした、奴隷をはじめ、
底辺に這い蹲るようにして生き抜いてきた人間達の
魂の音楽です。
絶望、悲しみそして微かにさす光や本当のやさしさなど
人間の原風景とも言うべき音楽です。
魂の音楽は国境を越え
このアフリカ音楽の種は
どんどん世界中に広がっていきました。
日本にもポルトガルやスペインなどの南蛮船が寄港していますから、
アフリカ音楽の種が蒔かれたはずです。
聞いたところによりと、
河内音頭のなかのリズムがソウではないかと言われていますが
よくわかりません?
リンカーンによって黒人奴隷は解放されますが、
実際の話し、解放された奴隷達の生活はなりたたず、
彼らはやはり、酒場や風俗、いかがわしい店で音楽を演奏するなどして
身を立てていきました。
そこからミンストレルショーやヴォードビルなどの寸劇が生まれてきました。
そして最後にロックへと歴史が流れてゆき、
再びラジオやテレビで世界がつながったとき、
つまりエルビスやビートルズが出てきたとき
世界中に蒔かれたアフリカ音楽の種に火がついていったという訳です。
前にも文化や芸術は周辺から中心へ。
それはもっとも俗悪なるところから始まり、
中心へ至った時には洗練されてつまらなくなり、
パワーを失うと書いたことがありますが、
本物の文化や芸術がじつは物凄いどろどろしたところのカオスから
生まれてくるという事。
そしてそれは汚くよどみの淵のなかににある人間の命のしずくが
光へと向うベクトルとなって、
遂には世界へと花開くことをものの見事に見せてくれた
ロックの歴史でありました。
凄いね!!