ビリージョエルと一緒に! |
ビリージョエルの
コンサートに行ってきました。
58歳のビリーはスゴかった。
良く生き延びてくれたねー
何時自殺するかと
はらはらしていたのに・・・。
触れただけで
壊れてしまいそうな
硝子の心の青年ビリーが・・・。
でも、
生き延びて逆に
クリスタルの大瓶のような
ステキなおじさんになっていて
余裕すら感じたよ!
生命炸裂するような轟音ロックの
ビートに載って
ビリーは約二時間、
全く衰えない声量で歌い続けた。
あの透きとおった、
甘いオレンジ色の声でね。
一流とか
ホンモノというのを
一昨日は
思い知らされた。
彼が自分に向けて発していた饒舌を
何人の人が理解しただろう・・・?
こんなに傷ついていて
こんなに絶望していて
その絶望して叫んでいる曲(オネスティー)を
テレビのCM に使うなんて
この国の人間はいったいナンナノダロウとおもうよ!
歌詞で言えば
ビリーよりスゴイ人を
私は知らない・・・?
サイモンとガーファンクルの
作る曲も
歌詞がステキだった。
一緒になるために旅立った男女が
バスの中で時を過ごすウチに
だんだん倦怠がはじまり、
ついには二人の会話がなくる。
隣同士にいるのに・・・・。
それぞれが疎外感を感じてしまう・・・という
「アメリカ」という曲が
とても好きでしたが。
そういう時代感がありました、1970年代はネ!
ビリーの中にも
そういった倦怠感や
疎外感があって
でも、ビリーの場合はね
とても「「シネマ」的というか
ビリーがピアノで前奏を弾き始めたとたんに
ビリーの物語の中に連れ込まれてしまう。
ディテールまで語られえる人間模様・・・、
色彩や背景や小道具までが
とても生き生きと配置されて、
もうまるで
イタリア映画を見ている見たいな陶酔に
わたしの頭がイカレてしまウ。
天才ビリー!
次々とせつない映像が
頭の中をぶっ飛んでゆく!
ニューヨークの喧騒と孤独!
もうひとり、
ブルース・スプリングスティーンの
それもあるけどサ!
特に好きなのが
「イタりアン・レストランで」と
「ニューヨーク・ステイツ・オブマインド」
この曲もピアノがダイヤモンドのように、
きらめく!
そして「素顔ママで」・・・。
コンサートのとき最後のアンコールで
「イタリアン・レストランで」と
あの「ピアノ・マン」が・・・。
ああ
きっとビリーにとっても
この「イタリアン・レストラン・で」は
特別なんじゃないかなあーと
勝手に思いました。
それはね
アレだけくるしんで、
精神病院に入ったり
アル中ーでもがいたビリーが
あの歌では
不思議に自分の過去を優しく見ているからね・・・。
曲も
始めに白いワイン、それとも赤ワインかい・・・?と
話しかけるところから
ゆっくりしたバラード風にはじまり
その次にハードビートで
一組の夫婦の人生が語られ、
最後にはまた最初の
しみじみとしたあのワインのはなしにもどる。
解るよね。
何かが終わった。
それにしてもいわゆる、
ビリージョエルの個人史を語る言葉が
こんなにもキラキラ煌きながら、
私の心の中に飛び込んでくるのは、
私の中にも同様に
どうにも押さえ込みきれない言葉が
心のそこから私を突き動かして
どうにもならない自分を抱え込んで
もがいていて
さまよう「自分」が
あるからだと思う。
そのところを
かろうじて生き延びてきて
おとついのビリージョエルが
いるんだと思います。
まさに人生のフラッシュバック!
同じ時代を彼と一緒に
生き抜いて
よかったなあー!