稲城フィル第17回定演について・・・。 |
プロのように研ぎ澄まされた音程やリズム
磨きぬかれた曲想や
プロフェッショナルの
圧倒的なエンターテイメントよる
生命エネルギー昇華と自己浄化・・・・ではなく・・・。
音楽好きが集まって
研ぎ澄まされた音程やリズムをどうのこうの・・ではない
いろんな人間の参加が楽しく、
愛すべき不ぞろいのデコボコや
またアマチュアならでの
聴衆との近距離が
プロの音楽とは別の
いかにも人間身味がする
楽しさがある。
稲城フィルは、
そういう楽しさがある
オーケストラです。
が・・・。
今回初めて音大時代の親友二人を誘って
聴きに行きました。
一人は中学生の合唱指導の大ベテラン
特に指揮には定評があります。
モウ一人は
繊細な研ぎ澄まされた感性で
音楽を愛し演奏する声楽家です。
音楽にたいする造詣の深さと
妥協のない真摯さは・・非凡です。
さてこのお二人と共に
昨日の稲フィル17回の演奏についての感想を
書きたいと思います。
決して
稲フィルを貶めようとか
批判しようというモノではなく、
同じ音楽の位相にたち
音楽を愛するものとして
応援をこめて
お話したいとおもいます。
シューベルトの未完成、
いいですねえー
こんなに脆いガラスの破片のような
心象溢れる音楽を
よく創ったものだと思います、
シューベルトよ!
ベートーベンの英雄
若さと気力に溢れ
未知なる世界への熱い想いや
躍動が満ちている
このベートーベンの
初々しい作品を
どう演奏するか・・・・?
ざんねんながら
どちらとも
消化(昇華)不良・・でした。しかし
前回の
なんとも味気ない演奏よりは
楽しかったことが前進です。
さて
なぜそうなのか・・・以下は
私たち三人の総評です。
指揮棒というのは先が細く
研ぎ澄ましてありますね、
その先端の一点に
全団員の神経が集中されて
ひとつになってこそ
シンフォニーという壮大な構成の音楽が
醸し出されてゆきます。
昨日の指揮者はそれを理解しているのかなあー?
もしかしてコバケンがお手本かなあー・・?
しかし、
コバケンは体と指揮が一体化している
”名人芸”での技ですからネエー・・・!
アレは魔術で、
誰にもできることじゃあナイ!
人間力です。
まず
下半身が不動で
安定していること・・コレ必須条件です。
そうしていないと
演奏する団員が集中できない。
指揮が見えにくいでしょう。
指揮者のほうは
指揮棒を持つ上腕から指揮棒の先端までに
神経(一本の気の集中)が貫通されていて、
その指揮棒の先端の集中から団員を牽引し
音楽を生み出していきます。
ある意味では頭脳プレーヤーでもある。
残念ながら昨日の指揮者は
指揮棒が散漫にユレユレで
体の動きと指揮がばらばらで・・・。
コレでは
団員の集中は無理です。
指揮者が自分の体の表現で
なんとか団員を引っ張っていこうという
情熱はあついほど
伝わってきましたが、
指揮者だけが悪戦苦闘しているようで・・・?
日本の指揮者に多いんですが
指揮をするということを
指導するという風に
取違えている・・・。
ナーンの考えもなく
団員の上にたってしまう・・。
指導者の中にもこういう
自分を団員の上位、位置から
指導したがる人間も
たくさんいます・・・愚かなことにね・・・(苦笑)。
そうではなく
主役はオケ・団員です。
指揮者とは
いかに団員のなかに潜在的にある
音楽にたいする溢れる思いを引き出し
ソシテ融合させ
それぞれの楽器演奏者が
自分の楽器と一体になれる環境を造るのが
仕事です。
練習段階でそれぞれが
自分をさらけ出し
ぶつかり合い
格闘しながら作り上げていった音楽を
演奏会本番は
やることはすべてやった
さーあとは
安心して指揮者に身を任せてくれ・・・というのが
指揮者です。
そういう頭の働きがないと
人を動かすことは
できません。
そのオケの可能性を最大限に引き出せることが
仕事です。
技術がどうあれ
そんなことなど関係なく、
指揮、団員、聴衆が
一体となって
それぞれの潜在的な音楽への想い
心のが揺らぎが
会場に満ちることです。
そこに
音楽の本質
生命の躍動と浄化が生まれ
感動します。
指揮者は不動の如く
デーンと自信に溢れていなくては
いけない。
団員を信頼してね。
迷いがあるから
演奏最中に団員に
エネルギーを送ろうと躍起になる。
それとね
英雄の一楽章は
指揮者のテンポに
団員がやっとこさついていくのがせいぜいで
聞いていて疲れた。
英雄のスケール観からいうと
もっとオケの技量を考えたテンポに
設定しないと・・・?
そのオケを生かすいちばん有効な
テンポ、
どうしたら
英雄のスケール感を表現できるか
考えないと・・・・ね。
アップアップの演奏を聞かされて、
ここでも聴衆のことが
置き去りにされていた・・。
アンコールというのは
神経を研ぎ澄まし
懸命耳を傾け
音楽を聞いてくれた聴衆が
曲を聴き終え、
余韻の中で
すーっと
リラックスしていくための
デザートなのに
また力が入っちゃって・・・とほほ!
それから
コレは致命的ですよ・・・。
●第一ヴァイオリンが
”歌っていない”
肝心のメロディーラインが歌わず
弱くて聞えてこないし
表情がないんですよ。。。?
コレはいけません・・。
特に英雄は
メロディーラインの輪郭が迫力なく
弱すぎた・・・。
こういうとここそ
指揮者がちゃんと指導すべきところですぞ・・・・。
でも
管楽器は
がんばっていて
素晴らしかった・・・。
管楽器に
支えられた
演奏でした。
管楽器の皆さん
おつかれさまでした。
冒頭にも書きしたが
アマチュアには
アマチュアのステキなところがたくさんあります。
いろんな人が、
いろんな職業のひとが
音楽を愛し
演奏する
いいですねエー・・!
ステキです。
音楽の起源は
アマチュアにあります。
生活の中に・・・!
生きることのなかに・・・!
神様がくれた賜物・・・音楽を・・。
どうぞこれからも
人生謳歌しながら
音楽を楽しんで
ください。