ほんとうに怖い・・ということ。 |
東京の中でとんがり続けて頑張っている
ギャラリーで
唯一私が面白いと評価する
「ギャラリー人」のオーナーから、
「この人の絵をどう思います・・?」と
見せられたのが
松井冬子という作家の
横たわる女の腹わたや内臓がこぼれている絵・・・。
「どう、怖い、気持ち悪くない・・・?
今高く評価されてるですよ・・・。
幽霊の絵など評判です・・・」とオーナー!
へー・・・っ。
でもこんな類は江戸の賭け軸物に
たくさんあったんじゃあ・ない・・と・・オラ!
怖くもグロでもなんともないよ・・・。
それよりほんとうに怖い絵を買いました。
ニューヨーク在住の作家
播磨みどりさんのドローイング・・・!
冒頭の絵です。
ペラの紙に鉛筆で
かすかに引かれた自画像。
その自画像の顔の部分が
破りとられている。
怖いねえー!
感情が無機化して白と黒の世界、
それよりもナオ
石灰化していった
消えそうな自己像・・。ソシテ
破り取られた
”顔”
こういう心象まで
書き込んで欲しいよね、
表現するなら・・ここまでやらなくちゃ!
怖いということは
恐ろしい・・ということは
自己の存在の実感が風化し
自我があるかないかの
瀬戸際まで
きてしまった喪失の世界!
芸術家だったら
ここまでやって欲しいとおもうけど・・。
でも誰もこの絵を買わないなら
オラ買う・・といって買いました。
先進国世界はもう
こういう自己喪失の境界線まで
来ているんかもしれないのに、
感性が茫洋としてその危機感が
欠落している。
残念なことに
自己存在の確かな実感を持つものだけが
そこを読み取っているが、
大衆の一部は
既に
その喪失の内側に入ってしまっているために
喪失すら感じない・・という
倒錯
おそろしいねえ!
でも
あきらめないで
ガンバロー!
いい絵を買いました。