She`s Got A Way・・・! |
頭の中でビリージョエルの
She`s Got A Way が
鳴り続けている。
歌詞は甘ったれ男の歌詞だけど
ビリーはずーっとうつ病に悩まされ続けていたから
しかたないかー・・・。
ピアノの伴奏が同じコードを打ちながら
雨だれのように
切々と心に沁みて来る。
彼のピアノのすごさは
コード進行の美しさだけでなく
同じ和音を打ち続けながら
強弱で表情を作り出す。
不意に強く打った和音の余韻は
次のフレーズの心のさざめきを
予想させ
いっぺんに曲の中に
引きずりこまれる。
うつ病というのは
意識ではどうしようもなく
体にどんどん欝が蔓延していき
気分が落下していく・・。
そういうホルモン分泌の構造をもつ身体を抱えて
ビリーもほんとうによくがんばって
生き延びたと思う。
アル中でもある彼が
娘の為に
立ち直りたいと
自ら進んで入院したことなど
聞くと
いい年をしたオッサンではあるが
かわいいねー・・と思う。
私が一番好きなのは
New York State Of Mind で
導入のピアノソロが
手を触れると壊れそうに
危いこころが
キラメキながら零れ落ちてくる。
こういう透明な響きを作り出す感性がすばらしい。
汚れる事の出来ない
彼の魂がある・・。
が
たぶんソレは生きるのに
辛いものでものでもある・・と思います。
カルホルニアで落ち込んでいたビリーが
再びニューヨークに呼ばれて
仕事をすることが出来る喜びが
歌に溢れている。
あのゴミゴミした都会
ニューヨーク。しかし
たくさんの人の群れにまぎれている安心や
確かに生き物のようにうごめきながら
世界に出て行くような
命の
ときめきはあった気がした。
まあ
私は心から都会が好きだからかも・・。
ひとが溢れる町
でも誰も知らない人ばかりの
ニューヨークを歩くのは
トテモ楽しい。
その中で壊れそうな自分を抱えてJ,ディーンも
ブルース・スプリンスティンも
マイルス・デイビスも
ビリージョエルも
歩いている。
乾いたニューヨークの
ゴロゴロした歩道を
壊れそうなガラスのハートを抱えて
よろよろと
虚無におぼれそうになりながら歩いてる男達。
いいねー・・。
欝になりながら
おとなになりきれない
ビリーが
それでも・・・
そうだから
いいのかもしれない・・と
おもいます。
ふかく
傷ついて
いるからね。
深くね・・。