荒川に沿って・・・! |
ぶっとばしていた。
雨上がりのもやがまだ少し残っている中
大きく悠然と流れる荒川を
横手に見ながらアクセルを踏む!
ゆっくり、ゆっくり
緑の川面のなかを
引船がいかだを引きながら下っている。
向こう岸には
ところどころに船溜まりがあり
青い大きな船が見える。
そんな中を走っていたら
ふいに
懐かしい気分がおそって来た。
こういう悠然とした時間を
昔はいきていたなあー・・。
せせこましく
追いかけてくる時間も無く
無為なじかんが
のんびりと過ぎていく・・。
そういう時代を生きていたことも
あった。
意識が飛んでゆく・・!
泰然と
ゆうゆうと
女王が
通り過ぎてゆくような荒川
その土手っぱらを
ハイスピードで
わたしの車は走っている、
ロックをガンガンかけながら・・。
スピードの中の高揚感と
泰然と流れる荒川の抱擁力の
二つの極を
抽象化した私の意識が
走る。
なんという快感・・!
なんという孤独感!
なんという爽快さ!
もしかしたら
にんげんとは
この抽象化した意識こそが
本質かも・・・。
川は下流から海へと
私は
湾岸から上流へとさかのぼっていく。。
扇橋をわたり
高速はおおきく荒川をカーブして
私は家路へ帰った。