向島・鳩の街商店街・・・！

今日はとてもオモロイところへ行きました。

向島にある
鳩の街商店街という戦後すぐに
赤線（娼婦街）だったところです。

細い路地の両面に店が並んでいるのですが
戦中に焼け残ったままの家並みが
まるでタイムスリップしたかのような
情緒です。
でもよくよく覗いてみると
店の中は老人の店主が多くて
でもねえ
窓越しに見える
おじいちゃんとおばあちゃんの床屋なんて
ちょっといいじゃあーないですか・・。

田村泰次郎の”肉体の門”や
吉行淳之介の”原色の街”のモデルになった
ところだそうです。

永井荷風の
『墨東綺譚』に出てくる玉ノ井が空襲で焼けて
娼婦が鳩の街にながれていったらしいです。

街には銭湯や質屋や旅館があり、
質屋や旅館の風情はまるで
戦前のままのようです。


もう随分長い間売れてないらしい商品が
誇りをかぶったまま陳列されていたり
あちこちの店頭に
おバアちゃんがぼんやり座っていたり、
取り残されたような
虚無感も漂っていました。


どうしてここに行ったかというと
実は朝日ビールのアートフェスタで
知り合ったS氏が
ここでギャラリーをヤルと言うので
見に行ったのです。
古いアパートの各部屋を改造して
アトリエにしたり
ギャラリーにして
鳩の街の再生を試みようという墨田区の
プロジェクトのひとつで
格安で貸してくれるというのです。


もしかしたらメッチャオモロイかも
しれませんが
しかし事を段取っていく
能力とエネルギーがいりますから
いま思案しているところです。

鳩の街はいわばアナクロの世界で
そこへデジタルな若者が食い込んでいったら
なにかが生まれそうな気もします。

特に心が干からびて
疲れている若者と
戦中戦後を生き抜いて生きた
おじいちゃん・おばあちゃんとの
クロスカルチャーで
実は若者のほうが
ほっとする何かをもらうかもしれない・・。

また行ってみてすこし考えようと思っています。

それで思い出したのだけれど
若い頃に父ちゃんといった
新宿ゴールデン街の飲み屋で
二階に通され
そこの壁が鏡だったので
聞いてみてびっくら、
つまりその店は戦後の赤線の店だったんですね。

今からは想像もつかないけど、

でも

なんだか

いまより
人間らしい情緒があったような
気がします。

ゴールデン街は
尿の匂いがただよっていて
私は辟易しましたが、
知り合いの編集者は
飲んで酔っ払うと
そこにいってました。

私にはわからない

なにかがあったんでしょうね。