コミケ・大いなる遺産。 |
東京ビックサイトの国際展示場駅を降りたとたん
ひとひとひとのすごい列。
満員電車の中のような行列は
暑さと人いきれでサウナ状態。
聞くところによると
今年は50万人の若者が来るらしい。
汗でじとじとになりながらやっと会場に着くと
たくさんの若者たちが出店を張っていて
それぞれの作品である本やゲームを売っている。
詳しい事はさておいて娘によると
コミケは日本の若者の唯一の解放区らしい。
良書も悪書もごたまぜに
出展料を払って自分たちの本をうる。
先般赤塚不二夫が亡くなったが
日本の漫画文化のすごさを感じる。
彼らが残した遺産の実りが今ここに起きている。
しかし
あの台湾の夜市のような
アナーキーで奔放で
突き抜けた様な開放感はない。
来ている若者もどこかお行儀がよく
小さくまとまっている気がしないでもない。
そのことは裏返すと
日本の若者の自己抑圧度が高く、
エネルギーが内向している事でもアル。
日本の若者がかろうじて
圧縮した自分達のエネルギーを
漫画やゲームや文字、映像文化に
知的に止揚していて
そのことが果たしていいのかどうかは
トテモ疑問に思う。
まだ観念のほうが先行し
身体のほうが疎外されているようにも
見える。
ただ頭と体が一体化するのは
時間の問題かもしれないが・・・?
しかし戦後蒔かれた漫画、コミック文化の種が
本流も異形も含めて
新しい大衆文化の基盤としてはっきりと
台頭してきたことに対して
日本の社会は認知をすべきだと
私はおもいます。
ここにある潜在的なエネルギーを
どうするのか・・?
そのすごさを目の当たりにして
まるでマンモスのように存在するこの若者たちの
異形の山を
日本の社会は
どう受け入れてゆくのか。
今のままだと到底それが可能とは思えないが、
いずれ山が動き出すと私は思う。
なんだか身震いがするが
大きな可能性も感じる。
それは
私が生きているうちに
起きるのかどうか。
ぜひ
見てから死にたいもんです。