第3章 すぐに白黒つけない・・・。 |
この章の中で彼女が引用した亡き河合隼雄氏の”ことば”は、
同様に新聞記事でも書かれており
私は深く共感した。
たしか援助交際についてコメントされた記事だったと
思う。
「売春は、魂が傷つくから、アカンのや。
とくに援助交際は、まだ魂が未熟な女の子たちが
行うので、なおさら魂が傷つきやすいので、
もっとアカン。」
河合氏が使っている”魂”と言うことばは、定義が曖昧で
使いようによっては、複雑なことや、
ややこしいことを、この一語で均してしまう便利な言葉なので、
安易には使いたくはないが、
やはり
わたしも”魂”が傷つくと思う。
人間は表面意識には出てこない
深いところの潜在意識に
たくさんの事を溜め込んで生きている。
それは”忘れる”というぜッ妙なる機能によって
心理的なパニックを回避しながら、
記憶を保全している。
だから自分にとって不本意なことをする場合
或いは自分をおろそかに扱い、
表面意識は”へっちゃら”を装っても
深いところにある、自尊心は傷ついている。
インナーチャイルドにしても
自分を深く封印しながらも
決してそれがちゃらにされるということは
ない。
それほど人間は
深く
生きている。
”魂”とは
その深い、暗闇の分部も含めての
心のさまをいうのだと
私は思っている。
意識では平静を装っていても
深いこころの深層にある傷は
いやされないままうごめき
そして、何かにの機につけ
表面意識を乗っ取ってしまう・・。
感情のブレーキが利かなくなる。
生きているということは、
決して自分の本意が通ることばかりでは
ない。
不本意なことも、どうにかこうにか
なだめすかしながら
喉につっかえながらも
かろうじて
呑み込んでいる。
しかし
それでも
ほんとうの自分の本意に逆らうことや
あきらめて、自己放棄し
自分を見捨てて身体に
呑み込ませてしまったことは
きちんと手当てをしない限り、
深層から自分を襲ってくる。
人生の機微の中でにょろり・・と顔をもたげてくる。
そういう
”たましい”を抱えながら私達は生きているのである。
自分の中の迷いに
白黒はっきりつけて生きたほうが
楽かも知れない・・。
表面の意識は
ややこしい・ことや
面倒なことは
さっさと処理してしまえ・・と言うかもしれない。
まあ、それもひつの選択肢でいいと思う。
しかし
人間は自分と言う”基軸で
意識的に、或いは無意識に集めたたくさんの情報を
集積し
駆使しながらいきており、
それらは時と場合によって反応、或いは感応し合い、
またある時は化学反応を起して飛躍したり
矛盾することでも
経験や体験が熟していくうちに
高い次元でそれらが止揚される・・ということがある。
私の場合も、
直ぐに判断しないで、
結論を手放していると
あるとき
思うもかけない事に
そのことが収斂していくことが
たくさんあった。
自分にとっての不安材料をじっと抱えているのは
シンドイし、精神力のいることだが、
時間と言う戦略の中でそれらが耐えながら
”機が熟していく”のを待っていると
ジグソーパズルが埋まっていくように
やがて全体の光景が見えてくる。
このことが
すごいよね・・・・。
脳の凄さです!!
白黒つけず、
すぐに吐き出さず
機が熟するのを
待つ・・。
コレも人生の大きな戦略です。
そして
そこには
いつも
私自身の
光と闇を持ちこたえて生きている
"魂”というものが
息づいているのだと
私は思います。
すごいね・・人間は。
○明日から4日間北海道に行きますのでブログはお休みします。