恐怖を克服する。 |
「金メダルを決める一瞬」という番組を見ていて
人間にとって恐怖、不安、怯えなど、
心の中に刷り込まれたネガティヴな傷を克服することが
いかにその人間の”いきること”を輝くことへ変えていくことかと
改めて思いました。
私自身が独自に独学で考え続けたことは
人間の心理の中に潜む不安や怯えを解決し、克服することが
イコール、その人間が自分の思い込みのブレーキをはずし、
自分の意志に基づいてスムーズに生きられるのではと
言うことです。
番組の最後のアルペン滑降で、大怪我をした選手が
再スタートの場に、自分が怪我をした同じ場所を選びます。
その選手に脳解析の測定器をつけて
彼の脳の反応を解析しながら心理分析もします。
彼が怪我した場所に差し掛かるとき、脳の”扁桃核と頭頂葉”が
しきりに反応する。
扁桃核は以前の怪我の時の恐怖感覚を記憶しており、
危機を信号発信するが,
頭頂葉がそれを編集しながら、
恐怖の心理を統合していく。
つまり
恐怖と戦いながらもそれを克服しようとする選手の肉体と精神を
脳の頭頂葉が統合修正して克服を達成させようと
働くのである。
自分の恐怖と闘い打ち勝った選手の脳と体の水準はいっそう高くなり
金メダルへと驀進していく。
このことは、オリンピック選手の特殊なことではなく、
緊張の度合いを越えて
人間の日常にも通じると私は考えます。
生命はその保全のために、自分が体験した危機的状況を
恐怖や怯えや不安というかたちで記憶していきます。
そのことは日常の表面意識にはプロテクターがかかっており
たいがいの人が自分の潜在意識に恐怖があるとは
自覚しないで生きています。
しかし自分に起きてくる感情の動揺の裏には、
何らかの形でこの恐怖や不安が働いており、
その信号が怒りや怯えや不安となって
現れます。
自分の中の怒りや不安には
ちゃんと原体験があり、根拠があるのですが
たいがいの人が
理不尽な自分の性格のゆがみなどと思い込んでしまいます。
私自身も、直ぐかッとなる自分の感情の裏に
まさか
怯えや、不安が張り付いているなど
30代の終わりちかくまで
知りませんでした。
人間(自分)の行動のブレーキがかかってしまうのは
殆どこの自分の原体験の中にある何かが原因で
それを思い出すと、
その人自身のアイデンティーが崩れてしまう可能性があり、
人は記憶の中深くに押し込めてしまいます。
だから、
思い出すには、決意や勇気が要ります。しかし
そのひとが、自分を克服したい、
自分を生かしたいと強く願うなら
自分の感情の底にあるものを
みつめたて行くことだと思います。
自分と深く向き合って
心の底の底のほうにかすかに見える自分の本心を
見つけることだと思います。
生きることは極論すると
こういう自分のなかに潜む恐怖や不安を
ひとつひとつ取り除いていくことかもしれません。
取り除いて、
すこしづつ軽やかになって
たった一度の人生を
謳歌して欲しいと思います。