2023年 05月 27日
大衆社会はなぜ退廃するか、7、心ある人はみんな今の社会がおかしいと思っているはず! |
もうひとつ、オルテガが指摘している厳しいことがあります。
それは、
前回脳は幻想を作り出し、
人間は自分の思いこみの世界の中で生きていることを書きました。
凡庸な人間は、自分の脳世界が、自分の思いこみであることにめざめず、
その自分の物差しですべてを測ってしまい、
ついには、非凡な人間の世界を理解できず、潰してしまう、ということです。
オルテガの言う凡庸な人間は、
イコール大衆を指しています。
実はほんとうに残念なのですが、これが大衆社会の実情です。
オルテガはそれを大衆社会の原理、属性と見ていますが、
私はそうは思いません。
実はそれこそ脳のもつ限界だと考えています。
脳は放っておくと凡庸のままになるからです。
脳が自分の思いこみの脳世界から脱出していく為には、
よほどの学習と経験を積まなければ
難しいです。
特に前頭葉は成熟していくことが難しいです。
そう言う風な学習のプロセスを経て、人は非凡
開眼していくのです。

反対に、これも非常に残念なのですが、デモクラティックな大衆社会では、
その平等の観念が逆に、
大衆を甘やかして、
自己成長の機会を逃していると、思います。
ほんとうは、自由と平等は理想的な理念であり素晴らしいことなのですが。
例えばネット社会などまさにそういう大衆の群れです。
ネット社会が登場すると同時に、人々はこぞってそこへと流れ込んで行きましたね。
ほんとうは、そこで立ち止まって、
これは是が非かを、個々に考え検証すぐ事が必要なのにです。
.コロナ下のオリンピックだって知性ある人はその欺瞞性を分かっていたのに大衆は…。
何も考えず、流されていく。
昨今は、いよいよそれが激しく、
マスになった人々がなだれこんでいきます。
自分で考えない人々、
他者との同化を望み、
異質や異端であることを恐れる人々。
また、異端や異質を排除し、潰す人々のその現象こそが、
非凡な人間を凡庸な人間が潰してしまう社会現象となっている。
非凡な人間は、社会の表面には出てきません。
そして今、ほんとうに残念ですが
オルテガのいう、根無し草としての大衆現象がまさに、
その通りに起きています。
ネットで簡単に知識を得、
深く物事を掘り下げることができない人間が、
自分達がまるで正義であるかのように人を裁き、
多数を背に、
イナゴの大群のように襲いかかる。
薄っぺらな擬似知識人が、メディアを占め世論を誘導しています。
ちょっと横道にそれますが、
ホリエモンと茂木健一郎氏がある本の中で、マーケティングや調査の事を対談しており、それを読んだ私がその本を憲雄氏に見せましたら、
憲雄氏が、
二人ともがマーケティングの事など良く知らないのに、
知ったかぶりで、デタラメを言っていると、怒っていました。
液状化するデジタル社会。
恣意的で、節足で、根無し草のように浮遊する人々。
こんな社会が、長続きするはずがないと私は考えます。
ほんとうは、ハッキリと表明してないけど、
この社会の在り方に、多くの人々が
疑問を持っているはずですよ。
心ある人々は、
なぜこうなるのか、と言う疑問の中にいるはずですよ。
自分以外の人間達が悪い。
政治が悪い。
世の中が悪い?
いえいえ、もう時がきているのですよ。
私達が知のレベルを上げなければならない時が。
今のデジタル社会は単なる通過社会だと私は考えています。
その理由は次回書きます。
これから来るA I社会では、更に知性、知能による格差が起きるでしょう。
また、世界は食糧難が来るでしょう。
その時A Iテクノロジーが必要でしょう。
しかしそのA I社会の対極に、
高次の知性の人間世界が必要です。
それはおそらく大衆社会では有りません。
高次の知世人が牽引する社会です。
どうぞ皆さん、高次の知世人になった下さい。
つづく。
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by denshinbashira
| 2023-05-27 05:49
| 終わりを意識して書く
|
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