なんで拍手するの! |
演目は「ベートーベンの荘厳ミサ曲」である。
実は始めてこの曲を聴くので少しワクワクしていた。
しかし最初の「キリエ」が始まってすぐに異変を感じた。
合唱が身体に入ってこないのである。
スラーッと頭の上を通り抜けていく。
なぜだろう。
「キリエ エレイゾン」 主よ哀れみたまえ。
落ちこぼれキリスト者の私でさえ、神の救いを求めて
何度このことばを唱えたことだろう。
しかし、この合唱を歌っているやつらは唱えていない
ただ歌っているだけだ。
譜面を!歌詞を!
つまり有名なミサ曲をうたっているだけで
歌詞にこめられた心や祈りが抜け落ちている。
こんな調子で延々と空疎な合唱が続き
最後の「アニュス デイ」 世の罪を除き給う,神の子羊 われらを哀れみたまえ
にいたっては
腹が立ってきた。バカヤロウー
お前らこの曲を本当に歌いたくて歌っているのか
ペラペラと上っ面だけを歌いやがって。
歌詞の意味をちゃあんと調べて、意味を追求してこい!
日フィルも明らかに消化演奏だ。
指揮者もソリストの歌も悪い
表情がないのだ。
唯一の救いはコンサートマスターのソロがすばらしかった。
それにしても
こんな気の抜けた演奏を聞かせられながら
拍手する日本の聴衆はナンなのだ。
良い聴衆が良い演奏家をそだてる。
日本では、なかなか心が満たされるコンサートに出会わない
それは聴衆が演奏家をあまやかすからだ。
それと
本当に自分の耳で聞かないからだと思う。
演歌なんかのコンサートはどうなんだろうか?
つまらない演奏をしたら
金を返せと怒鳴ってほしい。
わたしも本当に心がゆすぶられるような音楽会
いつかプロデュースしたいと思っている。
まってろヨ!